Texas Instruments(TI)は、同社のDSP「TMS320C64x+」用に最適化した画像アルゴリズム群を搭載した「医療用画像機器向けソフトウェア・ツールキット(STK) バージョン2」(STK 2.0)を発表した。
超音波診断やOCT(光干渉断層法)検査などのリアルタイム医療用画像処理アプリケーションを実現する画像処理カーネル各種が追加されており、同バージョンにより、TIのC64x+アーキテクチャの特長である高効率な処理性能と消費電力を活用し、超音波Bモード処理、3Dレンダリング、OCTのリアルタイム処理などを実現することが可能となる。例えば、新たに追加された3Dアフィン変換アルゴリズムは、回転、拡大縮小、移動といった画像変換に適用でき、リアルタイムの3D画像を表示する産婦人科向け機器の小型化、針やカテーテルの正確な位置をガイドするアプリケーションの低コスト化などに有効となると同社では説明する。
また、テスト・ベンチ(機能評価のためのサンプルコードおよび入出力サンプルデータ)が提供され、モジュール機能の確認、評価と開発への活用も可能。任意の入力に対する機能とサイクル性能をチェックする独自のテスト・ベクタは、同社の「Code Composer Studio」(CCStudio)を使うことで自動機能サイクル・プロファイリングを追加することが可能だ。
同STK 2.0は同社のTMS320C64x+コアを搭載するすべての組み込みプロセッサ製品に搭載可能で、マルチコアDSPや1コアDSPでの活用のほか、「OMAP35x」や「DaVinci」といったSoCでの活用も可能となっている。
すでに同キットは同社のWebサイトより無償でダウンロードすることが可能だ。なお、ダウンロードには、必要事項を記入して申請する必要があり、申請内容が受理されることで、ユーザーは各種ドキュメントやテスト・ベンチを含むSTK 2.0をダウンロードできるようになる。