National Instruments(NI)の日本法人である日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は、「Intel Core i7-820QM」クアッドコアプロセッサを搭載したPXI Expressクアッドコアコントローラ「NI PXIe-8133」を発表した。
同コントローラは820QMを採用したことで、1.73GHzのベースクロック周波数を提供するほか、Intel Turbo Boost Technologyを活用することで、動作周波数の向上が可能。これにより、マルチスレッドでないソフトウェアアプリケーションを用いた場合でも、コアの動作周波数を引き上げることで処理能力の向上が可能となるため、RFプロトコルテストやHIL(hardware-in-the-loop)シミュレーションなど、負荷の高い処理を実行するアプリケーションでのテスト時間短縮が可能となる。
また、PCI Expressの採用により、4つの×4 Gen 2 PCI Expressリンク経由でPXIシャーシのバックプレーンと通信が可能で、同社の各種PXI Expressシャーシと併せて使用すると、システムの総データスループットを従来の4GBpsから8GBpsに向上させることが可能だ。このため、より多くのI/Oチャネルを同時にストリーミングすることが可能となり、より大型で複雑なデータ記録/再生アプリケーションも作成することが可能となる。
さらに2GBのDDR3-1333MHz RAMとOSを標準装備。OSとしては、Windows XPとWindows 7 32ビットのいずれかを選ぶことができ、メモリ負荷の高いアプリケーション向けには、8GBのシステムRAMとWindows 7 64ビットOSにアップグレードすることも可能だ。加えて、過酷な環境での使用に対応するため、温度範囲の拡張とSSDのオプションも用意されている。
開発環境としては、同社のグラフィカル開発環境「NI LabVIEW」と「NI LabVIEW Real-Timeモジュール」がサポートされている。LabVIEWを使用することで、複数のCPUコアを速度重視のテストセクションに割り当て、重要度の低いサービスは残りのコアに任せることができるようになるほか、テスト、計測、制御アプリケーションにおけるNI LabWindows/CVIソフトウェア、C/C++、およびMicrosoft Visual Studio .NETと組み合わせた利用なども可能となっている。