Analog Devices(ADI)は、16ビット分解能を持つデジタル出力温度センサ「ADT7420」「ADT7320」を発表した。2製品ともにすでにサンプル出荷を開始しており、1,000個受注時の単価はいずれも2.35ドルとなっている。

デジタル出力温度センサ「ADT7x20」

2製品ともに-20℃から+105℃の温度範囲で、±0.25℃の精度を実現しているほか、-40℃から+125℃の温度範囲でも、±0.5℃の精度を提供している。これにより、複数の測定結果の平均値を取る必要がなくなり、産業用、計測機器、および医用アプリケーションにおいて、より高速のデータ測定やより高精度のコントロールループを可能にするとともに、エネルギー効率と信頼性を改善することが可能となる。

また、高精度のシステム・リファレンス温度の測定も可能であり、ソフトウェアベースの熱電対用の冷接点補償アプリケーションや赤外線イメージングシステムの誤差を低減することも可能だ。

さらに、2製品ともにプラグインだけですぐに利用できるので、周辺にシグナルコンディショニングを付加したり、あらためてキャリブレーションする必要がないほか、ADT7420はI2C、ADT7320はSPIのデジタル・インタフェースにより、システム設計者はデータアクイジションや、光通信、環境制御システム、医用機器、食品および薬剤の温度監視に適用することができる。

同センサは、-40℃から+150℃の動作温度範囲で電源電圧2.7Vから5.5Vにわたって動作保証をしている。3.3V動作時で、電源電流は210μA(代表値)で、1Spsモードに設定することで3.3Vで消費電流を46μA(代表値)に低減することも可能だ。また、電源電流を2μAに低減するシャットダウンモードも内蔵しているほか、プログラマブルオプションとして、測定可能温度範囲以上あるいは以下に外れた時の表示や、プログラムできるセットポイントモニタによるクリティカル温度インジケータも搭載している。