Cirrus Logicは6月8日、スマートフォンおよびコンシューマモバイル機器向けオーディオコーデック「CS42L73」、ならびにアナログ入力のハイブリッドD級モノラルスピーカーアンプ「CS35L0X」ファミリを発表した。

オーディオコーデック「CS42L73」

ハイブリッドD級スピーカーアンプ「CS35L01」

CS42L73は、同社第3世代となるポータブル機器向けオーディオコーデックで、3つのシリアルオーディオポートと非同期サンプルレート・コンバータを備え、全体のシステム効率を向上させながら、各種マルチフォーマットのオーディオシグナルの複雑なルーティング、プロセッシング、ミキシングの管理が可能だ。

消費電力は第2世代品比で約40%となる通話時で4mW、ヘッドホンへのステレオ再生時で3.5mWを実現しているほか、受動部品の削減が可能なため、基板面積も同30%の縮小が可能となっている。

第2世代比でも2桁の消費電力低減と基板面積削減が可能となっている

また、2つのA/Cコンバータ(ADC)とマルチビットΔΣアーキテクチャをベースとする4つのD/Aコンバータ(DAC)を搭載。同DACは、グラウンド・センター出力ステレオのクラスHヘッドホン、ラインドライバ、イヤーピースドライバ、低EMIのハンズフリースピーカドライバを含む5つの出力の駆動が可能で、アナログのフロントエンドがプログラマブルゲインアンプとオートマチック・レベル・コントロールとともにラインとマイク入力をサポートしている。また、デュアル・マイク・プリアンプとバイアスサプライがアナログマイク用に統合されており、デュアル・デジタルマイク向けインタフェースも含まれている。

一方のCS35L0Xファミリは、ノイズと消費電力を抑えつつ、モバイル端末に高品質オーディオを提供することを目的に、ゲイン+6/+12dB品「CS32L00」、同+6dB品「CS35L01」、同+12dB品「CS35L03」の3製品を用意。いずれもクローズドループΔΣアーキテクチャと特許申請中のクラスDでクラスH的な動作が可能となるハイブリッドD級アンプ技術を採用しており、D級(クラスD)の効率と出力、アイドル時の低消費電力性とAB級アンプ並みの低EMI性を両立している。

同技術を活用することで、零入力電流は0.9mAを実現しており、競合製品と比べて消費電力を約40%低減することが可能になるとしている。

オーディオコーデックとD級アンプを組み合わせることで、電力寿命の延長のほか、全体の部品コストの削減なども可能となる

オーディオコーデック、D級アンプともにすでに量産を開始しており、CS42L73は1万個注文時で単価は1.95ドル、CS32L00が1万個注文時で0.35ドル、CS35L01/03は同0.32ドルとしている。