矢野経済研究所は6月8日、東京都在住の20 代から50 代の男女合計353名を対象に実施したデジタルサイネージに対する生活者の意識調査の結果を発表した。同発表によると、デジタルサイネージの認知度は、昨年の20.7%から9%増加し、29.7%となったという。

同調査では、デジタルサイネージという名称を知っている場合を「認知している」と見なしている(デジタルサイネージを目にしていても名称を知らない場合は「認知していない」と見なされる)。

デジタルサイネージの認知度 資料:矢野経済研究所

今回、19媒体の個別名称の認知度についても調査が行われた。JR東日本が展開している「トレインチャンネル」の認知度が25.8%と最も高く、これに東京メトロが展開している「Tokyo Metro ビジョン」の認知度が22.1%で続く。上位6媒体のうち4媒体を鉄道系が占めていることから、今後も鉄道がデジタルサイネージ市場の広告ビジネスを牽引することが期待されると、同社ではコメントしている。

また、2009年6月からイオンのレジ後方で展開されている「イオンチャンネル」の認知度が7.6%と上位に着けており、開始間もないながら認知度が高いことから今後の動向が注目される。

個別名称別媒体の認知度 資料:矢野経済研究所

デジタルサイネージを見た時に受ける印象として、鉄道など交通機関については「便利、見やすい、分かりやすい」などの意見が約半数を占めているうえ、支持率でも、他の設置場所を圧倒している。また、「面白い、興味がある」という点でも、多くの支持を受けており、コンテンツ面での評価も高く、機能面・内容面の双方において好印象を持って評価されている。この結果からメディアとしての存在感につながっていると、同社では考えている。