ファウンドリ大手の台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)は、同社が開発パートナーと推進するOpen Innovation Platform(OIP)の拡張を発表した。
これによりOIPは、従来のPower、Performance、Area(電力、性能、面積:PPA)の検討や相互運用性への取り組みから拡張され、電子システムレベル(ESL)設計、仮想プラットフォーム、ハイレベル合成(HLS)に重点を置いた、新しい協業エコシステム・プログラムへと重点を移すこととなる。
この新しいプログラムでは、従来プログラムに加え、65nm、40nm、28nmのアナログ、ミクスド・シグナル、RF設計手法に対応する一方、3つ目の方向性として2次元/3次元IC設計手法、シリコンインターポーザ、Si貫通電極(TSV)の製造能力を通じたマルチダイ・パッケージングに取り組むこととなる。
TSMCでは拡張されたOIPの成果として、無線周波数リファレンス・デザイン・キット(RF RDK) 2.0を導入するほか、近日中に「アナログ/ミクスド・シグナル(AMS)リファレンス・フロー1.0」および「リファレンス・フロー11.0」を発表する予定としている。
RF RDK 2.0 は、TSMCの65nm RF CMOSプロセス技術を対象としており、アナログ/ミクスド・シグナル/RF設計、およびRF SoCの検証および統合を促進するもので、アナログ、RF、ミクスド・シグナル、デジタルコンテンツに対応したSoCデバイスにおける、フルチップ検証実行時の課題を解決することが可能となる。
同キットは、設計期間短縮とIPの再利用促進する、全体から細部に至るRF設計手法とシステムレベルのシミュレーションフローを実装している。RDK2.0は、Open Accessデータベースにあり、回路のサイジング/設計センタリングアプローチ、電磁(EM)を考慮したRFシミュレーションおよび解析、カスタムRFインダクタ合成およびモデリング、複雑なミクスド・シグナルおよびRF SoCにおけるノイズカップリングの課題に対応する基板ノイズモデリングおよび解析(SNA)を含む、RF設計機能に対応している。