National Semiconductor(NS)は、太陽電池パネル内蔵型チップセット「SolarMagic SM3320」を発表、太陽光発電システムとして「スマート・パネル」というカテゴリを提唱した。
従来の太陽電池パネルは経年劣化や日陰などよるミスマッチにより回収可能な発電力の低下が問題となっていたがスマート・パネルでは、SM3320をパネル内に組み込むことでこうしたミスマッチを回避し、太陽光発電システムの発電量回収効率の最大化を実現することができる。
同製品は、太陽光発電システムの発電量回収、信頼性、費用対効果の最適化を、パネル内蔵型電子技術という観点で開発されたアナログ半導体技術集約型パワーマネジメント・チップセット。太陽電池パネルの背面に位置する配線箱に直接、SolarMagicパワー・オプティマイザの動作内蔵を可能にするもので、ボードレベル・システムあるいはチップセットとして提供される。
独自開発による10個のアナログおよびミクスドシグナルICで構成されており、信頼性の高いデジタル制御とアナログ・センシング/シグナリングの組み合わせを実現している。また、独自開発のアルゴリズムは太陽光パネル単位の最大電力点追従(MPPT)方式を適用しており、モジュールからの入力電圧と電流を最適な出力電圧と電流の組み合わせに変換し、発電量回収を最適化することが可能だ。さらにセンシング技術を活用することで、入力電圧とアレイ側に流れる電流を検知、調整し、最適なストリング・レベルを実現している。
このほか効率99.5%を実現した高集積型350W 3モード・パワーコンバータを内蔵しており、これにより発電量回収を最大化するための個々のパネルの電圧の昇圧、パススルーまたは降圧を可能とする。また、オプションとして、防火のためのパネル・シャットオフ機能と安全メカニズムも用意されている。
なお、ボードレベル・システムはサイズが5インチ×3.5インチ×0.5インチ、重さが約6.4オンスで、太陽光発電パネルの配線箱に容易に組み込むことが可能だ。現在、ボードレベル・システムの配線箱とモジュールへの内蔵化がパートナー企業によって進められており、こうしたパートナー企業による製品発表が2010年内に複数行われる予定としている。