NVIDIAは、並列処理のNVIDIA CUDAアーキテクチャを教育カリキュラムに組み込んだ大学が350校を超えたことを受け、新たな教育プログラムを開始したことを発表した。
新設されたプログラムの主な内容は「CUDA Certification」「CUDA Research Center」「CUDA Teaching Center」の3つ。
CUDA Certificationは高い能力を持つGPGPUエンジニアに対するニーズが高まっていることを受けて開始されるもので、GPUによる超並列プログラミングの能力を認定するプログラムとなっている。
NVIDIA CUDA Certified Engineerに認定されるためには、CUDAのアーキテクチャとプログラミングモデルについて適切な知識を十分に持っていること、また、CUDA構造を一般的なアルゴリズムの枠組みに適用できること、CUDA Cのコードで最高のパフォーマンスを得るために必要な最適化手法を深く理解していることを示す必要があるという。
CUDA Research Centerは複数の研究分野でGPUコンピューティングを活用している研究機関を認定するプログラムで、CUDA Teaching Centerはコンピュータ・プログラミングの中核カリキュラムでGPUコンピューティングの手法を取りあげる機関を正式に認定するプログラムとなっている。
CUDA Research Centerプログラムは超並列コンピューティングの先端を走る大学や研究機関の研究グループ間にコラボレーションを醸成・認定するもので、プログラムメリットとしては、鍵となる研究者や学者が参加するイベント、NVIDIAテクニカル・リエゾンの任命、オンラインや対面による特別トレーニング・セッションへの参加などがある。
CUDA Teaching Centerプログラムは、ラボ・コンピュータの教育に用いる教育キット(教科書、ソフトウェア・ライセンス、CUDA対応GPU)の寄付が受けられるほか、さらに多くのハードウェアが必要な場合にアカデミック・ディスカウントの適用も受けられるというメリットもある。
このほか同社では、オンライン・ポータルの「NVResearch」を新たに立ちあげることも発表した。同サイトでは、NVIDIAがサポートし、世界各地で進められている研究プロジェクトの情報を得ることができるほか、同グループが推進する教育系あるいは研究系のプログラムについても、詳細を知ることができる。
なお、今回の新プログラムは、同社がこれまで進めてきた既存プログラム「CUDAセンター・オブ・エクセレンス」を補完するものという位置づけとなっている。CUDA Research CenterプログラムとCUDA Teaching Centerプログラムは世界全体を対象としており、アジア、欧州、北米の研究機関が認定されている。すでにCUDA Research Centerには、ジョンズ・ホプキンス大学(米国)、ナンヤン大学(シンガポール)、オストラヴァ工科大学(チェコ共和国)、CSIRO(オーストラリア)、SINTEF (ノルウェー)が認定されており、CUDA Teaching Centerには、マクマスター大学(カナダ)、ニューヨーク州立大学ポツダム校(米国)、カリフォルニア州立工科大学サンルイス・オビスポ校(米国)、ITESM (メキシコ)、チェコ工科大学(チェコ共和国)、青島大学(中国)が認定されている。