ARMやIBM、Freescale Semiconductor、Samsung Electronics、ST-Ericsson、Texas Instruments(TI)の6社は、オープン・ソースの革新を推進し、次世代の常時接続、常時オン・コンピューティングを実現するため、非営利のオープン・ソース・ソフトウェア・エンジニアリング会社「Linaro」の設立を発表した。

同社は、複数のメーカーが提供するSoCで共通に使えるソフトウェアを開発することで、主要なディストリビューションを使用した最新製品の開発を容易にすることで、Linux搭載システム上の多様なアプリケーションを提供する開発企業や製造企業を支援することを目的とする。

また、同社の設立は、オープン・ソース・ソフトウェア開発者の活動に焦点をあてるだけでなく、コンシューマ側にも利点を提供すると6社は説明する。同社のの活動により、Android、LiMo、MeeGo、Ubuntu、WebOSなど、Linuxベースのディストリビューションと先端SoCを活用し、低消費電力で求められる機能を提供する製品が多数開発されることが期待させるためだ。

今後、Linaroは、対応するLinuxディストリビューションを増やしつつ、業界で広く使用可能な最適化済みのツールと基本ソフトウェアの定期的なリリースを発表していき、これによりサプライヤ各社の半導体の互換性を促進する予定。

結果として、機器メーカーは、Linaroのリソースとオープン・ソース・ソリューションを利用し、開発期間の短縮、性能向上、差別化に関係のない低レベル・ソフトウェアにかかるエンジニアリング時間の短縮を実現できるようになるほか、Linaroが提供する安定したコードを自社製品のイノベーションの共通基盤として活用できるため、Linuxディストリビューション、オープン・ソース、独自のソフトウェアに関わるプロジェクトそれぞれを有利にすることが期待されるという。

Linaroは、中核的な運営理念についてLinux Foundationと提携、協力する予定としており、2010年11月に最初のリリースを計画している。これによりARM Cortex-Aプロセッサ・ファミリをベースとするSoCの性能最適化を提供する予定。

なお、社内でのオープン・ソース・エンジニアリング作業には、ARMとIBMに加え、Freescale、Samsung、ST-Ericsson、TIの41社が協力する。