IDC Japanは6月3日、国内クラウドサービス市場のユーザー動向調査の結果を発表した。同発表によると、2010年国内市場におけるクラウドサービスの認知度は59.2%で、パブリッククラウドサービス利用阻害の最大要因について、54.6%が「セキュリティへの不安」と回答したという。

同社は、2段階に分けて企業ユーザーを対象にクラウドサービスおよびSaaS/ASPに関するユーザー動向調査を行った。第1次調査では、有効回答数4,471社中、クラウドサービスについて「具体的なベンダー名やサービスを知っている」または「サービスについて知っている」と回答した企業は59.2%に達した。

第2次調査では、第1次調査でクラウドサービス、SaaS/ASPの両方を認知していると回答した企業を対象に、利用状況や導入の検討状況を質問した(有効回答:1,138社)。

同調査で、パブリッククラウドサービスの利用阻害要因を尋ねたところ、トップは「セキュリティへの不安」で、回答者の54.6%がこの項目を選択した。利用しているアプリケーションはメールアプリケーションが最も高く、全回答者の4.3%が利用している。次が、営業支援/顧客管理アプリケーション'(利用率3.6%)となる。全アプリケーションの平均利用率は1.7%だった。

パブリッククラウドサービスの阻害要因 資料:IDC Japan

パブリッククラウドサービスを利用している企業に選択理由を尋ねたところ、最も多かったのは「ランニングコスト」(30.7%)で、これに「初期導入コスト 」(25.7%)が続き、上位をコストメリットが占めた。

さらに、パブリッククラウドサービスを利用している企業に満足度を尋ねたところ、「セキュリティ」に関して 「大変満足」と「満足」を合わせた回答者が全体の60.2%になった。

利用中のパブリッククラウドサービスの満足度 資料:IDC Japan