中国EC最大手アリババグループとヤフーは6月1日、商品の相互販売を開始した。同グループ傘下のECサイト「淘宝網(タオバオ)」とYahoo! JAPANにそれぞれ販売サイトを設置。ユーザ数2.5億人、商品数4.5億品目、取扱高3.8兆円の巨大なEC市場となる。

中国最大のECサイト「タオバオ」と「Yahoo!ショッピング」が相互接続を開始。写真左より、ジョナサン・リュー アリババグループ執行役員副社長 タオバオ代表取締役社長兼CEO、ジャック・マー アリババグループ会長兼CEO、孫正義 ソフトバンク代表取締役社長兼ヤフー取締役会長、井上雅博 ヤフー代表取締役社長

両社の提携は、タオバオと「Yahoo!ショッピング」の取扱商品を購入代行サイト経由で相互に販売するというもの。利用者は言語や決済、配送などを気にすることなく、国内サイトの感覚で相手国商品を購入できるようになる。中国側ではタオバオ内に「淘日本(タオジャパン)」を開設し、Yahoo!ショッピング取扱商品のうち約800万~1,000万点を販売。日本側では、タオバオ取扱商品のうち約5,000万点を販売する「Yahoo!チャイナモール」をYahoo! JAPAN内に開設する。各商品の説明は自動的に翻訳。決済手段は、サービス開始当初は中国からの輸入は代引きのみに対応、日本からの輸入には「Alipay国際決済」が利用される。

「Yahoo!チャイナモール」ではタオバオの人気商品を購入できる。本場のチャイナドレスや茶道具なども。商品の到着には1~2週間ほどかかる

中国ユーザは「淘日本(タオジャパン)」から日本の商品を購入できる。電化製品や日本のファッションなどを取りそろえる

基本的にYahoo!ショッピングの出店者は、追加コスト不要でタオジャパンに対応する。中国からの注文には日本語で対応でき、国際発送は日本国内の倉庫に送れば処理されるようになっている。

東京都内で会見を行なった孫正義 ヤフー取締役会長は、急成長を続ける中国市場は日本企業にとってビジネスチャンスだが、中小企業の2%しか中国に進出できていないのが現状と説明。アリババグループとの提携は両国市場間の障壁を取り去り、中国向けのビジネス展開における課題を解決するものになると述べた。