Infineon Technologiesは、アジアの既存の研究開発活動の範囲を拡大するため、シンガポールにアプリケーション・イノベーション・センター(AIC)を設立することを発表した。同施設はアジア市場を対象とした電気自動車(EV)、再生可能エネルギー、無線通信のターンキー・ソリューション向け半導体の開発を中心に活動する予定だ。
シンガポールの同社アジア太平洋地域本社は現在、主要な研究開発センター拠点となっており、IC製品とシステムの開発、先進パッケージの開発、携帯電話向けプロトタイプ・システムの開発に、約340人のエンジニアが従事している。同社では同センターに新たに約1,400万シンガポールドル(約800万ユーロ)を出資する計画で、これによりアジア地域におけるカスタマの製品要件に特化したシステム・ソリューションを開発することで、同地域に沿った製品イノベーションを実現することを目指すとしている。
なお、同社はアジア地域にAICを設立するのははじめての試みとなっており、これについてシンガポール経済開発庁のエレクトロニクス担当ディレクターであるDamian Chan氏は、「シンガポールが、グリーン・エレクトロニクスなどの高成長機会をターゲットとするアジアのユーザーの独自ニーズに応える新たなソリューション開発の拠点となる」とコメントしているほか、Infineonのシンガポール開発センター代表であるMathieu Vafadar氏は、「シンガポールは、世界トップクラスのインフラストラクチャ、研究開発エコシステム、人材確保によって、高いビジネス価値を創造するのに最適な場所であるほか、シンガポール科学技術庁(A*STAR)の機関、大学、パートナーを活用し、技術力を構築、こうした分野のビジネス機会の拡大を模索することができるため、AICにとって有益な場所である」とコメントしている。