Analog Devices(ADI)は、産業用機器向けのループ電力供給型スマート・トランスミッタ・アプリケーションに適用可能なオンボード・パワーマネジメント回路付き16ビットD/Aコンバータ(DAC)「AD5421」を発表した。

オンボード・パワーマネジメント回路付き16ビットD/Aコンバータ「AD5421」とその活用イメージ

同製品は、完全なループ電力供給型のデジタル/4~20mAトランスミッタで、競合製品と比較し、消費電力を50%、フットプリントを55%、それぞれ節減することが可能。

また、1.8Vから12Vのプログラム可能な電圧レギュレーション回路を内蔵しており、スマート・トランスミッタ内のペリフェラル部品を駆動するために必要な低電圧電源を生成することができ、消費電力の制御ができることから使用可能な電力に余裕ができるため、システム設計者はより高精度でかつ高消費電力のセンサ回路を採用できるほか、ネットワークの接続性能を強化するための追加の通信プロトコルや、システムのインタフェース機能を改善するためのディスプレイ画面などの補助機能も搭載できるようになる。

さらに、競合他社の製品の3倍の精度を実現。かつ、オンチップ診断機能も提供しており、石油精製所といった、大型プラントに設置されたプロセス制御システムのアップタイム(稼働時間)の向上も可能だ。

静止電流は250μAで、最大TUE(全非調整エラー)0.05%、ドリフト5ppmを実現。標準のHARTプロトコル回路と組み合わせることで、NAMUR規格準拠の出力範囲を提供することができるほか、-40℃から+105℃の拡張工業用温度範囲の仕様で、標準SPI互換になっている。

同製品はすでにサンプル提供を開始しており、1000個受注時の単価は4.52ドル(米国での販売価格)となっている。