National Semiconductor(NS)は、高速12ビットA/Dコンバータ(ADC)「ADC12D1800」を発表した。

高速12ビットA/Dコンバータ(ADC)を用いた回路ブロック図と従来回路ブロック図

同製品は、現在市場で入手可能な他の12ビットADCと比較し3.6倍の高速サンプリング・レートとなる3.6GSpsを実現したもので、ノイズ・フロアが-147dBm/Hz、ノイズ・パワー比(NPR)が52dB、混変調歪み(IMD)が-61dBFSのダイナミック特性を達成、次世代ソフトウェア無線(SDR)アーキテクチャ/アプリケーションの要件に対応することが可能となっている。

1.9Vの単一電源で動作し、インターリーブ方式あるいは独立したチャネルでの動作が可能な2つのチャネルで構成されているのと同時に、マルチチップ同期のための回路、プログラマブル・ゲイン、チャネルごとのオフセット調整機能を備えている。内部トラック/ホールド・アンプと拡張セルフキャリブレーション・スキームは、10-18のコード・エラー・レートを提供しながら、2GHz超の入力周波数帯で、すべての動的パラメータの平坦な応答を可能とする。

また、同製品に加え高速ADCファミリ製品として、最大サンプリング・レートが3.2GSpsの「ADC12D1600」と2.0GSpsの「ADC12D1000」も併せて発表した。これら3製品はすべて同社の「PowerWise」製品として指定されており、レーダー、通信、マルチチャネル・セットトップ・ボックス(STB)、シグナル・インテリジェンス、LIDAR(レーザー光を用いた測距装置)などの広帯域SDRアプリケーションをターゲットにしている。

3製品はともにすでにサンプル出荷が開始されており、量産品の出荷開始は2010年第3四半期を予定している。また、CCGAパッケージで提供されるプロトタイプ・ユニット(非打上品)と評価ボードは、2010年第3四半期から入手可能となる予定だ。