Analog Devices(ADI)は、通信インフラストラクチャにおけるタイミング・シグナル・チェーンの性能を改善するクロック製品として、クロック発生器「AD9553」と高速クロック・ファンアウト・バッファ「ADCLK944」の2製品を発表した。2製品ともにすでにサンプル出荷を開始しており、1000個受注時の単価はAD9553が5.10ドル、ADCLK944が6.00ドルとなっている。
AD9553は、GPON、SONET/SDH OC-48(同期式光ネットワーキング/同期式デジタル・ハイアラーキー)、計測、データ・アクイジション、イーサネット、ファイバ・チャンネル、T1/E1、放送用ビデオなどの無線や有線通信アプリケーションにおける、低コストのクロック変換ニーズに対応しており、競合製品の約半分のコストでピン・プログラミングが可能なプリセット入力/出力周波数の設定が可能になるという。
ピン・プログラミング・モードでは、選択可能で標準的なプリセット入力/出力周波数の変換を提供する一方で、SPIプログラミング・モードでは、カスタム化した所望の入力/出力周波数の変換を可能にする。また、ジッタのクリーンアップとクロック変換の両方を特長としており、入力/出力クロック周波数の組み合わせの多様性とその出力段のフレキシビリティを実現することで、複数の個別部品や基板面積、設計複雑度の低減が可能となる。
さらに、リファレンス入力がない場合でも出力信号を維持できるホールドオーバーモードも備えているほか、リファレンス入力の1つに不具合が発生しても、代用のリファレンス入力に切り替わるスイッチオーバー機能も内蔵しているため、PLLのロック機能を維持することが可能だ。
一方のADCLK944は、ワイヤレス基地局におけるデータ・コンバージョンのS/N比の劣化を低減するだけでなく、SONET/SDH光ネットワーク向けに低消費電力でかつ50fsの低ジッタソリューションを提供するもの。
また、最高7GHzのスピードで動作する4個のLVPECL出力を提供。低ジッタなほか、出力間のスキューが最大15psなため、LTEやマルチキャリアGSM通信基地局といった高速コンバータクロッキング用にクリーンなクロック信号が必要となる有線および無線機器に対応することができることに加え、高速のOC-192およびOC-768 SONETラインカードなどのジッタ規格にも対応することが可能となっている。