三菱化学は5月24日、中国の青島泰達天潤炭材料および明和産業と、リチウムイオン2次電池用負極材の主原料である球形化黒鉛の製造合弁会社を中国青島市に5月7日付けで設立したことを発表した。

新会社の社名は青島菱達化成(QINGDAO LINGDA KASEI)で、董事長には三菱化学の執行役員 機能化学本部 副本部長 兼 電池機材事業部長である城阪欣幸氏が就任。出資比率は三菱化学が49%、青島泰達が37%、明和産業が14%となっており、営業運転は2011年5月より開始する予定だ。

三菱化学はすでに香川県の坂出事業所において、年産2000tの負極材生産能力増強工事を実施中で、2010年12月に完工する予定。これにより同事業所は年産5000tの生産能力に増強される見込みとなっている。この生産能力増強に伴い、主原料の球形化黒鉛を安定的に調達することが課題となっており、今回の合弁会社の設立へと至った。

同合弁会社の球形化黒鉛の生産能力は年産2000tで、将来的にはさらなる増強も可能。生産された球形化黒鉛は三菱化学が優先的に購入し、負極材の原料とする計画となっている。

なお、三菱化学は、同合弁会社に対し、自社特許である球形化黒鉛の改質技術を供与する一方、青島泰達は球形化黒鉛の量産技術を提供し、プラントの基本設計および運転に当たり、明和産業は物流・商流の整備に当たるとしている。