ガートナー ジャパンは5月20日、日本国内における2013年までのSaaS市場規模予測を発表した。同調査では、国内SaaS市場は2013年までに年平均11.7%で成長し、427億円規模に達するとされている。
保守やITアウトソーシングなどを中心とした国内のITサービス市場における2013年までの年平均成長率は1%未満と低い水準にとどまっているが、同社は「SaaS市場は、2009年における利用率がすでに31.1%にまで上昇している」としており、さらに2013年までの成長率が年平均11.7%と2桁の伸びが予測されることから、ITベンダーにとって注目すべき市場であるとしている。
ただしこの数年、「クラウド」「ASP」「ホスティング」など、業界において「SaaS」を定義する用語が多用されてきたことで既存のサービスと混同される状況が生まれており、これがユーザーの混乱や誤解を招き、同市場の発展を阻害する要因になる可能性があると同社は指摘している。
市場の内訳を見ると、当面はCRMと電子メール、グループウェアが市場を牽引するとされているが、今後ERPやSCM分野でも徐々に利用範囲が拡大していくと予想されている。
また同社は、ITベンダーがSaaSをビジネスの"ドライバ"にするためには「SaaSを既存システムの補完財と位置付け、現在のサービスやソリューションとの相乗効果を追求していくことが不可欠」という見解を示している。