Analog Devices(ADI)は、マイクロ波ポイントtoポイント・システム、PMR(プライベート・モバイル無線)、VSAT(Very Small Aperture Terminal:超小型地上局)、試験/計測機器、宇宙航空システムなどのアプリケーション向けに、PLLシンセサイザ「ADF4150HV」を発表した。
同製品は、4.4GHzのフラクショナルN PLL(切り換えで整数N PLLも可能)で、30Vチャージ・ポンプを集積している。同チャージ・ポンプは、既存のPLLチャージ・ポンプの中でも高電圧で、高いチューニング電圧の外付けVCOを直接駆動することが可能なため、アクティブ・ループ・フィルタが不要になり、システム設計の簡素化、性能の改善、部材費の低減などが可能となる。
また、アクティブ・ループ・フィルタに比べて位相ノイズ性能を劣化させないパッシブ・ループ・フィルタ・トポロジーを使えるようになるため、シンセサイザ全体の位相ノイズ性能を改善することが可能だ。
さらに、VCO周波数を1/2、1/4、1/8、または1/16に分周することができるオンチップ分周器を搭載しているため、ユーザは、最低31.25MHzまでのRF出力を生成することができる。
このため、30Vチャージ・ポンプによる外付けVCOによる低位相ノイズとオンチップ分周器によるマルチオクターブ・チューニング機能を備えたシンセサイザを実現することができるようになる。
なお、同製品は32ピンLFCSPパッケージにて供給中で、1万個受注時の単価は2.49ドルとなっている。