竹中工務店は5月19日、神鋼環境ソリューションとテラルと共同で「都市型バイオガスシステム」を実用化したことを発表。同システムは2014年に開業予定となっている近畿日本鉄道の「阿部野橋ターミナルビルタワー館(仮称)」に実装される。

バイオガスシステムの利用イメージ

このシステムは、複合商業施設などの建物内で発生した生ごみ(食品)や厨房からの排水からバイオガスを作り出し、都市ガスと混合することによってガスエンジンやボイラーなどのガス利用機器において熱と電気として利用するというもの。

「阿部野橋ターミナルビルタワー館(仮称)」に組み込まれるシステムは、臭気対策や防災・地震対策が図られたことで、都市部での稼働が可能になったという。

これまでの超高層ビルにおける生ごみ処理のプロセスは、エレベータで地下に生ごみを運んで冷蔵保管した後、車でごみ処理施設へ運搬するのが一般的だったとのことだが、同システムの導入によって運搬にかかる人件費やCO2排出量の削減が可能になる。

また、メタン発酵は食品リサイクル法の再生利用に該当するため、同システムを導入することで食品リサイクル法にも対応することとなる。

同社は今後このシステムを、複合建築や再開発物件、ショッピングセンター、食品工場などに向けて販売していくという。