富士通システムソリューションズ(以下、Fsol)とEMCジャパン(EMC)は5月18日、ECM(Enterprise Content Management)をSaaSで提供することに関して合意したと発表。医療分野向けの文書管理システムや、製造業などをターゲットとした情報共有関連のサービス提供を7月から開始する。

今回の両社の合意によってSaaS提供されることになったのは、EMCが提供するプラットフォーム製品「Documentum」(コンテンツ管理プラットフォーム)、「eRoom」(複数の会社間の連携に適したコラボレーションプラットフォーム)、「IRM(Information Rights Management)」(機密情報の制御/保護/履歴管理を実現する)の3つ。

Fsolは同社の「WebSERVE」などのソリューションをSaaSで提供してきた実績をベースに、富士通のデータセンターを利用してこれらのEMCの製品をインターネット経由でユーザーに提供することになる。ユーザーにとっては、EMCの専用システムの構築が不要になるため、短期間かつ低コストで導入できるメリットがある。

なお、Fsolと富士通は2010年1月から製薬分野の臨床試験向けSaaSとして「tsClinical」(ティーエスクリニカル)を提供しているが、第2弾という位置付けで、「Documentum」を新薬申請向けSaaS文書管理業務サービスとして提供する予定だという。

EMCは今回の協業に関して、「SaaSにより、これまで以上にECMビジネスの拡大を図るとともに、『Documentum』が大手企業に加え、中堅・中小企業のユーザーにも拡大することを狙っている」とコメントしている。