Freescale Semiconductorは、Peripheral Sensor Interface 5(PSI5)プロトコルに対応した、加速度サテライト・センサ製品とミクスド・シグナル・アナログICで構成されるエアバッグ・システム・ソリューションを発表した。また、新たに電子制御ユニット(ECU)内蔵用の加速度センサ製品も発表した。
同ソリューションは、独自のSMARTMOS技術を活用しており、DSI(Distributed Systems Interface)対応コンポーネントをはじめとした次世代エアバッグ・アプリケーション向けの包括的な製品ポートフォリオを拡張する。MEMSベースのサテライト加速度センサ製品「MMA5xxxW」とエアバッグ・システム・ベース・チップ(SBC:System Basis Chip)「MC33789」が含まれるほか、主要電子制御ユニット用のMEMSベースの2軸SPI加速度センサ「MMA68xxQ」を活用することで、包括的なエアバッグ・システム・ソリューションを容易に実現することができるとしている。
MMA5xxxWは、QFNパッケージを採用したPSI5対応X軸およびZ軸サテライト加速度センサで、一般的なSOICベースソリューションに比べてシステムの小型化が可能となる。また、小型化に加え堅牢なフロントおよびサイド・エアバッグ・サテライト・ソリューションの実現が可能で、トランスデューサ設計に起因する寄生振動に対するシステムの信頼性を高めることもできるようになる。
さらに、PSI5 Version 1.3標準プロトコルに準拠しているため、総合的なPSI5エアバッグ・システムの一部として統合することが可能で、組み込まれたバス・スイッチ・ドライブにより、デイジー・チェーン構成を実現できる。
同センサは、±60~±480gのフルスケール・レンジで、各加速度範囲に対応した製品バリエーションが用意されるほか、選択可能な400Hz 3極/4極ローパス・フィルタや2線式のプログラミングモードを搭載している。
一方のSBCは、エアバッグ・セーフティ・アプリケーション向けのミクスド・シグナル・アナログICで、乗用車やトラックで利用される各エアバッグを区分ごとに分割制御することが可能だ。また、PSI5マスタ・インタフェースを介して、シートベルト・スイッチの入力状態を検知、リモート衝突センサと通信を行うことも可能となっている。
PSI5 Version 1.3準拠のサテライト・センサ・マスタ・インタフェースを4つ備えているほか、診断能力を備えた設定可能なスイッチ入力モニタを9つ搭載している。
このほか、併せて発表されたデジタル加速度センサ「MMA68xxQ」は、主要衝突センサやエアバッグ・アプリケーションの安全化センサ向けに設計されており、オーバダンプ型トランスデューサと高共振周波数パッケージの結合により、衝突検知アプリケーションにおいて高振幅・高周波の衝撃によって生じる過負荷状況に対する耐性を高めることが可能だ。
±20~±120gのフルスケール・レンジに対応しており、3.3~5V単一電源動作が可能。また、10ビット・デジタル符号付き/符号なしSPIデータ出力が可能なほか、各軸ごとに独立したプログラマブルなアーミング機能を備えており設計を簡素化することが可能となっている。
なお、X軸サテライト加速度センサ・ファミリ「MMA52xxW」およびZ軸サテライト加速度センサ・ファミリ「MMA51xxW」はすでに提供を開始しており、1万個購入時の参考価格はMMA52xxWで2.99ドルとしており、量産出荷はMMA51xxWが2010年第3四半期の予定としている。また、MC33789もすでに出荷を開始しており、1万個購入時の単価(参考価格)は4.38ドルとなっているほか、MMA68xxQも出荷を開始しており、1万個購入時の単価(参考価格)は2.80ドルとなっている。