National Semiconductor(NS)は、同社のPowerWise製品として10V/Vのゲイン時に900MHzの-3dB帯域幅で0.69nV/√Hzを実現する高速オペアンプ「LMH6629」を発表した。すでに出荷を開始しており、1,000個一括購入時の価格は1.88ドルとなっている。

National Semiconductorの高速オペアンプ「LMH6629」

同製品は、同社の新しいCBiCMOS8 SiGe相補型バイポーラCMOSプロセス技術を採用。これはモノリシック回路で、SiGe NPNとSiGe PNPトランジスタの組み合わせ、低消費電力のCMOSトランジスタを特長とし、高速アナログ・アプリケーション向けに、高速性や直線性、回路密度、低消費電力および低ノイズなどを提供することが可能となる。

そのため、同製品でも2.6pA/√Hzの入力電流ノイズを実現しているほか、それぞれ-90dBcと-94dBcの第2次、第3次高調波歪み(f=1MHz)性能を実現している。また、25℃時に780μVの最大入力オフセット電圧、+/-0.45μV/℃のオフセット電圧ドリフトといった低DC誤差もあわせて実現しており、AC結合、DC結合のいずれのアプリケーションでも高精度動作を実現する。

さらに、入力コモンモード範囲はグラウンドを下回り、出力は正負電源レールから0.8V以内まで振幅し、リニア出力電流は+/-250mAを上回る。消費電流は15.5mAで、2.7Vから5.5Vの電源電圧範囲を提供するほか、選択可能な内部補償により、外付け補償部品のほか、他のアンプに必要となる設計時間を不要することが可能となっている。加えて、最小ゲイン選択ピンをローかハイにすることで、4V/Vまたは10V/Vの最小ゲイン設定が可能だ。