雑誌+DESIGNING、雑誌Web Designing、マイコミジャーナルの3媒体が、様々なジャンルのクリエイターたちを100人連続で紹介していく新企画。第18回は、デザイナーの川村健一が登場。

川村健一プロフィール

1976年生まれ。2007年に独立。「twistcube」という屋号で、インタラクティブ系のコンテンツ制作を中心にアートディレクション、デザイン、Flash実装などを行っている。JAGDA会員。「第5回 東京インタラクティブ・アド・アワード」のプロダクトサイト部門銅賞。オフィシャルWebサイトはこちら。

Q&A

――この仕事に就こうと思った年齢ときっかけは?

川村健一(以下、川村)「20歳の頃、大学の授業でHTMLに触れたのがきっかけです。当時はPhotoshopなどのグラフィックソフトにはまったく縁がなく、HTMLとJavaScriptだけで、どれだけ表現できるかみたいなことを追求してましたね。当時はWebでできること自体が少なかったから、それはそれで楽しかったです。その後、ダブルスクールで専門学校へ通ってグラフィックや企画を学びました。卒業制作で手がけたサイトが意外と反響がよく、TVや雑誌、新聞などで紹介され、この仕事への手ごたえを感じて、これで食べていこうと思いました」

――これまでで一番思い入れのある仕事は?その理由や思い出を教えてください。

川村「『TOKYO SMART DRIVER』のオフィシャルサイトです。現在はリニューアルされて違うデザインになっているのですが、シンボルマークを活用したシンプルなインタフェースはとても好評でした。TOKYO SMART DRIVERというプロジェクト自体も素晴らしいコンセプトですし、非常に優秀な方々とご一緒でき、刺激的な仕事でした。そのほかに、前職で手がけた某住宅メーカーの資料請求コンテンツは、仲間と共にコンセプトから携わり、アートディレクション、デザイン、Flashを担当した仕事で、今があるのはこの仕事で得られた経験が大きいと思っています」

TOKYO SMARD DRIVER
AD、De、Fl:川村健一

――この仕事を辞めようと思ったことはありますか?また、そのきっかけは何ですか?

川村「凹むことは沢山ありますが、辞めようと思ったことは一度もありません」

――これから取り組んでみたいこと、関わってみたい仕事は何ですか?

川村「独立してからは個人で完結するような仕事が多いのですが、今後は、仲間と共にコラボレーションしていく仕事のスタイルを模索したいと思っています。仕事のベクトルとしては、今後もインタラクティブ系のデザインを主軸に表現を探っていきたいですね」

――愛用している、思い入れのある道具や本、ものを教えてください。

川村「ガネーシャ像を購入してから、いろいろなことが上手く回るようになりました。長い付き合いになりそうです」

川村氏愛用のガネーシャ像。我が家の守り神的存在

――尊敬している人を教えてください。

川村「どんな方にでもすごい部分はあるので、リスペクトしている人は数え切れないほどいます。Flashを活用されている方でいうと、やはり、thaの中村勇吾さんはとにかくすごいですよね。映像畑の方ですが、CRYPTOMERIAの杉江さんもズバ抜けたセンスを持っているので、また仕事でご一緒したいです。サウンドのカンガルー鈴木さんも素敵な方です。この方にサウンドを頼むと、デザインよりサウンドに評価が集まるときがあって、それはそれで問題なのですが(笑)」

――アイデアを練る場所、時間などを教えてください。

川村「コンセプトが決まるまでは、隣に座っている同じくデザイナーの嫁とブレストを進めて、ある程度固まってきたタイミングで、Photoshop、Illustrator、3ds Maxなどでデザインを起こします。Webでのデザイン時の心がけとして、『実際にサクサク動くのか』ということが大切な要素なので、モックを組んで実現可能かを検証するようにしています。煮詰まったときはモニタの前にいても捗らないので、思い切って近所の氷川参道を散歩します」

――1カ月で仕事をしない日は何日ありますか?

川村「忙しい時はまったく休めない月が続きますし、ペンディングやらで『あれ、最近仕事してないな……』ということもあります。そういう時だって、大切なインプット時間なので、別に呆けているわけではないのですよ(笑)」

――理想的なオフの過ごし方は?

川村「仕事のことは忘れて家族でまったり過ごす。手をつないで野原を走り回りたい」

――趣味やコレクションなど、いま、個人的にハマっていることを教えてください。

川村「新たな見識を与えてくれるので、デザイン系、プログラム系を中心に、気になった本はすぐに買います。家具や洋服などの買い物も大好きです。安くてそれなりのものを頻繁に買い換えるというスタイルではなく、良いモノを厳選して長く使うように心がけています」

――お酒を飲みますか?週何日、どのくらいの量を飲みますか?

川村「自宅ではほとんど飲みませんが、飲み会には良く参加しているので、月2~4回くらいでしょうか」

――同業でよく飲みにいく、食事をする人は誰ですか?

川村「ICHIGOUの上原さんとは、かなり以前から親しくさせていただいています。前職つながりで、元ミツエーメディアクリエイティブのOBとは良く飲みにいってますね。そのほかにもたくさんの方とご一緒させていただいていますが、キリがないのでこの辺にしておきます(笑)」

作品紹介

左:SENGENCHO HAUS
D、AD、De、Fl:川村健一
右:TYA - STRATEGIC CREATIVE -
D、AD、De:川村健一