ソニーは5月13日、2009年度(2009年4月1日~2010年3月31日)の連結業績を発表した。売上高が7兆2140億円(前年比6.7%減)、営業損益が318億円の利益(2596億円改善)、純損益が408億円の損失(581億円改善)という結果だった。
セグメント別の業績は以下の通り。
コンスーマープロダクツ&デバイス(CPD)事業では、液晶テレビ「BRAVIA」、コンパクトデジタルカメラ「サイバーショット」などが減収も、売上原価率の改善/販売費・一般管理費の減少により増益を達成。営業損益で465億円の損失という結果だったが、前年同様の為替レートを適用すると217億円の利益という水準まで回復した。
ソニー 代表執行役副社長 CFO 大利根伸行氏 |
また、ネットワークプロダクツ&サービス(NPS)事業では、PlayStation 3のソフトウェア売上数量が増加したものの、PSPのハードウェア、PS2のソフトウェアの売上数量が減少。為替の悪影響もあり、前年と同程度(44億円改善)の831億円という結果だった。なお、2009年度は、PlayStation 3 ハードウェアの逆ざやを解消したほか、デジタルミュージックプレイヤー「ウォークマン」の損失縮小などを実現している。前年と同様の為替レートを適用すると561億円の損失。
映画では、「2012」、「天使と悪魔」、「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」などがヒット。音楽では、マイケル・ジャクソンのカタログ作品、スーザン・ボイルの「I Dreamed A Dream/夢やぶれて」、映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」のサウンドトラック、アリシア・キーズの「エレメント・オブ・フリーダム」、いきものがかりの「ハジマリノウタ」などが売り上げに貢献した作品として挙げられた。
金融では、前年度の金融危機から株式相場が回復した影響などにより大幅増収を達成。ソニー・エリクソンに関しては、販売台数が40%減(5300万台販売)という結果だったものの、研究開発費、販売費、一般管理費の縮小により、前年と同水準の営業損失を維持している。
テレビ、PC、ゲームなどの消費者向け製品の販売実績は以下のとおり。
2010年度の販売に関しては、液晶テレビが2500万台、PCが880万台、PlayStation 3のハードウェアが1500万台、PlayStation Portableのハードウェアが800万台という予測を立てている。
なお、構造改革については、予定以上の進捗をみせており、目標の3300億円以上の固定削減をすでに達成。調達コストも目標どおりの20%削減。製造事業所も、2008年12月時点で57拠点あったものが、2010年9月末には43拠点になる見込み。
2010年度に関しては、売上高が2009年度比5%増の7兆6000億円、営業利益が同404%増の1600億円、純利益が同908億円改善の500億円という業績を見込んでいる。