Adaptecは5月12日(米国時間)、SSDキャッシュパフォーマンスソリューション「MaxIQ」シリーズを拡張したことを発表した。新たに発表されたのは、Intel X25-E 64GBに対応した「Adaptec MaxIQ 64GB キャッシュパフォーマンスキット」と、Intel以外のSSDにも対応が可能な「Adaptec MaxIQストレージコントローラファミリ(Qファミリ)」の2種類。すでにいずれも受注は開始しており、5月20日からの出荷開始が予定されている。
64GBキットは、従来の32GBのキットと同様、Adaptec RAID 5Zシリーズ、5シリーズ、2シリーズコントローラのいずれかと組み合わせて使用可能。いずれのストレージコントローラも1.2GHzのプロセッサ、512MB-DDR2キャッシュメモリを搭載、複数のSSDを接続してのMaxIQハイブリッドSSDリードキャッシング機能、SATA/SASインタフェースSSD、HDD、テープデバイスとのダイレクトI/O接続性を実現している。
一方のQファミリは、同社のデータ保護機能をベースに設計されたもので、従来ソリューションではSSDには専用の暗号化鍵が搭載されていたためAdaptecからSSDを購入する必要があったものを、MaxIQの管理ソフトを新たに提供するストレージコントローラ「Adaptec MaxIQ 2405Q (内部4ポート)」「Adaptec MaxIQ 5805Q (内部8ポート)」「Adaptec MaxIQ 5805ZQ (内部8ポート+ゼロメインテナンスキャッシュプロテクション機能)」に搭載させることで、接続するSSDを自由に選択することが可能となる(ただし、保証はAdaptecが動作確認を行ったものに限る)。
また、これらの製品の提供に先んじて2010年4月に公開された新ファームウェアや管理ツールを活用することで、「アルゴリズムをオプティマイズしたことで、ランダムIOPS(Input Output Per Second)が従来ソリューション比で60%向上することに成功した」(アダプテックジャパン 代表取締役で北アジアセールスの稲葉知彦氏)とするほか、MaxIQで活用しているSSDのSMART情報を元に寿命予測を出すことが可能なったことに加え、「I/O解析によりキャッシュプールから何回ヒットしたかのデータを出すことなども可能となった」(同)といった具合の機能拡張が施された。
稲葉氏によると、MaxIQを2009年9月9日に発表して以降、「非常に大きな反響があり、貸し出しや検証がひっきりなしに続く状況となっている。そうした中で、自分達がすでに持っているSSDや、違う容量のものを活用したいという声が大きかったこともあり、今回のQファミリが誕生した」(同)と、Qファミリが生み出された背景を説明する。今回、Qファミリは3製品のみだが、4ポートや16ポート、24ポートなどの要求もあれば、確認作業などを行ってラインナップに加えていくほか、SSDも順次評価を進め、対応機種を拡充していく計画とする。
なお、同社ではMaxIQの評価が進んでいることを踏まえ、「秋頃には何らかの成果が出てくることを期待している」(同)とするほか、データセンターやホスティングサービスメーカーと協力することで、「多くのカスタマ/ユーザーの力を貸してもらい、今後も新たなストレージ向けソリューション/製品を生み出していければと思っている」(同)と、よりマーケットニーズに沿った製品やソリューションの具現化をしていくことを強調している。