富士通ネットワークソリューションズ(以下、FNETS)は5月12日、改正省エネルギー法に対応したラックシステム「FacilityCube」を発表。同日より販売を開始した。

同社は、義務付けの対象範囲が2010年4月から拡大された改正省エネルギー法を踏まえて「IT機器の消費電力削減」「運用負荷軽減」を目的とした省エネ技術を「ECOソリューション」として体系化。今回発表された「FacilityCube」はその第1弾製品として位置付けられている。

「FacilityCube」の導入イメージ

「FacilityCube」は空調機や消火設備、機器を搭載するラック、環境監視装置、配線ダクト、分電盤の一式をパッケージ化したラックシステム。今回発表されたものは、2002年7月に発売された従来のものよりも汎用性が拡大されているという。

今回は冷却能力や機器搭載スペースなどが異なる「Sシリーズ」と「Mシリーズ」の2種類が用意されることになる。

両シリーズのスペックと価格は以下の通り。

  • Sシリーズ
    冷却能力(負荷能力): 5.2kw (約2馬力)
    最大ラック構成例: 空調設備+機器搭載 ×1 / Bラック(消火設備) ×1 (※オプション) / 分電盤ラック ×1 (※オプション)
    機器搭載スペース(Cラック): EIA 36ユニット
    販売価格: 170万円~[1架(空調機能+機器搭載ラック)の場合]

  • Mシリーズ
    冷却能力(負荷能力): 10.7kw (約4馬力) 冗長構成が可能
    最大ラック構成例: Aラック(空調設備) ×2 / Bラック(消火設備) ×1 (※オプション) / Cラック(機器) ×1~5 / 分電盤ラック ×1 (※オプション)
    機器搭載スペース(Cラック): EIA 41ユニット
    販売価格: 680万円~[Aラック×2架+Cラック×1架の場合]

消化機能は、環境にやさしいとされる窒素ガスを使ったものを採用。煙検知については、一般のものと比べて約1000倍の検知能力を持つセンサーが搭載されているという。

またいずれのシリーズにおいても、ラック内に設置した温度・湿度センサーや電力計測センサーを介して、数値をリアルタイム測定し、異常時のアラーム情報を通知する「環境監視機能」はオプションにて提供される。

分電盤機能は19インチラックに収容され、ラックと同サイズとなるため架列設置できる。センサー内蔵のプラグインブレーカが採用されており、容易な増設と回路ごとの使用電力量の把握(環境監視機能との併用が必要)が可能になるという。

「FacilityCube」の構成例