日本電気(NEC)は5月12日、2010年度(2011年3月期)の事業方針を発表した。2010年度は遠藤信博氏が社長に就任して迎える最初の年。2月に発表した3カ年経営計画「V2012」の達成に向け、まずは営業利益1000億円、純利益150億円を目指す。
NECでは2010年度の業績について、売上高3兆3000億円(2009年度比7.9%減)、営業利益1000億円(同491億円増)、純利益700億円(同36億円増)という数字を見込んでいる。これを、セグメント別に見ると、以下のようなかたちになる。
この業績予想を達成するうえでの各セグメントのポイントとしては以下のようなものが挙げられた。
これらのうち、特に強調されたのが、ネットワークシステム事業とITサービス/ITプロダクト事業だ。
ネットワークシステム事業では、2008年6月に企業買収で獲得した通信事業者向け運用支援システム「NetCracker」の販売体制をワールドワイドで強化。さらに、マイクロ波通信システム「パソリンク」の世界シェアNo.1を維持や、LTE、WiMAX、フェムトセルなどの次世代ワイヤレス通信事業における同社製品の採用拡大を狙っていくという。
一方、ITサービス/ITプロダクト事業においては、国内企業の海外進出サポートを中心にグローバルの売上拡大を図るほか、基幹システムのクラウドサービス化を軸として受注拡大を目指す。さらにインドのバンガロールに「NECバイオメトリクスエクセレンスセンター」を開設し、指紋認証ソリューションの強化を実施。KDDIと共同開発した、REIDと携帯電話を連携させて業務アプリケーションにアクセスする新ソリューションについても、2010年度内に商用化し、販売を推進していく。
また、そのほかの分野では、6月にカシオ日立モバイルコミュニケーションズとの事業統合が予定されているNECカシオモバイルコミュニケーションズにおいてグローバルで年間750万台の形態電話端末の出荷を予定しているほか、環境/エネルギー事業において4月1日付で設立したNECエナジーデバイスで自動車用高性能リチウムイオン電池の開発、販売を推進していく。