「Google 日本語入力」がオープンソース化

グーグルは5月11日、同社が提供する「Google 日本語入力」をオープンソース化すると発表した。これは今年後半に製品が投入される同社製OS「Chrome OS」(オープンソース版はChromium OS)への組み込みを念頭に置いたもの。プロジェクト名は「Mozc(モズク)」となり、BSDライセンスでソースコードが公開されることになる。

昨年2009年12月に公開がスタートしたGoogle 日本語入力だが、同社がこれまで蓄積してきたWebページのデータ解析からくるその豊富な語彙は瞬く間に多くのユーザーを虜にし、ベータ版にもかかわらず非常に大きな反響を呼んでいる。Googleではさらなるプロジェクトの拡大と、今後登場することになるGoogle製品へのIME搭載を念頭に、今回のオープンソース化とMozcプロジェクトの開始を発表した。

オープンソース化の目的がChromium OSへの対応ということもあり、今回公開されるのは同OSに関連した部分のみが対象となる。そのため、現在提供されているソフトウェアバイナリのうち、Windows/ Mac版のインストーラや辞書登録ツール、環境設定ツールといったGUIが絡むモジュールについては公開の対象外となる。またGoogleによれば、Google 日本語入力として提供されているものとオープンソース版(Mozc)では辞書の構成が異なっているという。具体的にはオープンソース版はIPAdicの辞書をベースにしており、固有名詞を除く変換精度はほぼ同じだという。

Mozcは現在Ubuntu 9.10/10.04での動作を確認しており、WindowsやMac、Android等には対応しない。ビルド方法や詳細についてはLinux Build Instructionを参照のこと。