情報通信研究機構(NICT)は、UWBハイバンド(Ultra Wide Band High-Band:7.25~10.25GHz)を用いたボディエリアネットワーク(BAN)システムを開発したことを明らかにした。

BAN システムの利用イメージ

生活習慣病予防などの医療福祉活動の効率化に向け、人体データをリアルタイムに収集する技術であるBANが注目され、IEEE 802.15のタスクグループTG6での標準化策定が進められているが、UWBローバンド(3.4~4.8GHz)は、日本国内での次世代携帯電話サービスへの影響懸念などの問題から、2011年より干渉軽減技術の導入が義務付けられており、これによる装置の複雑化や利用上の制約などが問題になると見られていた。

UWBハイバンドは、2011年以降も継続利用が可能であり、これを用いたBANシステムを活用することで、腕時計型やペンダント型などの人体へ取り付けやすい装置の小型化が可能となるほか、NICTでは、UWBの高速伝送特性を活用することで、各BAN装置からの人体データの送信時間間隔を短くし、それ以外の時間に送受信を停止させることで、装置の省電力化と同時接続できる端末数の増大を図る技術も導入、その動作の確認も行った。

なお、NICTでは、今回開発したUWBハイバンドの用いたBANシステムはTELEC(テレコムエンジニアリングセンター)の認証を受けており、免許が不要のため、普及が期待できることから、今後はIEEE802の標準化動向を鑑みながら、同規格との協調を図っていく方針としている。