田中貴金属工業は5月10日、次世代自動車向け貴金属材料の開発を強化することを目的に、貴金属車載材料の技術開発拠点として愛知県刈谷市に車載材料開発グループ分室を開設したことを発表した。

同分室には、電子顕微鏡や元素分析装置などの機器分析装置、カスタマが分析試料の作成や材料選定を行うことができる試作設備を配備、カスタマと共に実験評価や技術打ち合わせをその場で行うことができることから、車載材料の開発ニーズに対して、初期段階からの速やかな対応が可能になるとしている。

電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCV)を含めた次世代自動車のパワートレインの変化に対し、貴金属の用途も今後変化することが予想されており、同社ではこうした技術動向に追従していくためには、営業および技術の両面でカスタマに密着した活動が必要であると考えの下、今回の分室開設に至ったという。

同社は従来、材料の開発を関東地方の拠点で行ってきたが、自動車開発の中心の1つである中部地方に技術開発拠点を開設し、関東地方の拠点と包括的に連携することで、カスタマニーズの把握から製品化までの開発速度の向上が可能になるとしており、今後も次世代自動車向け貴金属材料の迅速な開発を目指すとともに、業務の充実を図り、必要に応じて設備機器の拡充を図ることで、カスタマの技術開発の支援体制を強化していくとしている。