デジタルハリウッドは、デジタルハリウッド東京本校にて、「劇場版アニメ『いばらの王-King of Thorn-』予告編映像制作コンペティション」の最終審査イベントを開催。最優秀作品を発表した。

本作品は、奇病「メデューサ」が蔓延する近未来で、治療法を求め古城(コールドスリープ施設)を訪れた主人公・カスミを中心に展開するサバイバル&サスペンスアニメ。岩原裕二氏の同名マンガの世界観を再構築し、劇場用アニメ版ならではのストーリーとなっている。作画には劇場用アニメ『スチームボーイ』を手掛けたサンライズのスタッフが集結。片山一良監督を中心に、20万枚を越える作画でリアリティ溢れるアニメーションを実現している。

映画『いばらの王-King of Thorn-』

(C)YUJI IWAHARA/PUBLISHED BY ENTERBRAIN, INC./Team IBARA

今回のコンペでは、デジタルハリウッドの全学生を対象に作品を募集。事前選考を勝ち抜いた20作品を、片山一良監督とサンライズ・内田健二社長が鑑賞し審査を行った。また原作の岩原裕二氏、OVA監督・森田修平氏も事前審査員として参加。森田監督からは「渡された素材だけでなく、オリジナルの素材を作った人がいるかどうかを評価の基準にしました。どの作品もプロ志向でまとまっていましたたが、学生らしく弾けた作品も見たかった」とのビデオコメントが届けられた。

左から片山監督とサンライズ・内田社長

グランプリは、吉田優さんの作品「beginning」。吉田さんは「自分の作品が評価されることが初めてなので嬉しい。一見するとモンスターパニック作品にみえるが、原作には根底に姉妹の絆があると感じたので、そこをどう表現するかに気を使った」と語った。また、吉田さんはグランプリ以外に原作者賞も受賞し、「信じられない気持ちでいっぱいです…ありがとうございます」と喜びを隠しきれないようだった。

片山監督は本コンペの総評として「映像だけでなく音やセリフ使いにも注目しました。感性や表現も含め技術的にはどの作品も優れていましたが、映像情報に触れる機会の多い今の人たちが、何かの作品に影響されて作ったという印象も少し感じられた」とコメントした。オリジナリティの追求を続ける監督だけに、その言葉には技術からもう一歩踏み込んだ作品をとの厳しく熱い想いが感じられた。さらに内田社長は「原作を読み込んだ上で素材を自分の『いばらの王』にしたり、監督が好きだというセリフの重要性に敏感に反応したり、まったく違うアプローチの人もいたりと多彩でよかった」と語り、学生たちの柔軟性を評価した。

映画『いばらの王』予告映像コンテスト受賞作品

グランプリ

beginng
監督:吉田優

原作者賞

監督賞

promise
監督:吉田優

生きて
監督:桑原竜也

MySpace賞

いばらの映画館へいこう。
監督:石原大輔

KING OF THORN
監督:丸田絵梨

いばらのコンペ
監督:藤田真悟

受賞作品はこちらで視聴することが可能となっている。