5月13日(木)、14日(金)の2日間、富士通の年次イベント「富士通フォーラム2010」が東京国際フォーラムにて開催される。今年のテーマは「夢をかたちに - shaping tomorrow with you -」 - クラウドコンピューティングの普及やモバイルデバイスの浸透など、ICTの利活用が新たなステージに入ろうとしている現在、富士通が「人を中心としたICTの新たな利活用を通じて、多くの人に、より安全で安心な、そして豊かな未来の社会をお客様とともに創造」(富士通 山本正已社長)するために行っている取り組みを、全111カリキュラムのセミナーと約150種の展示デモにて紹介する同社最大のイベントだ。

本稿では同フォーラムの中から、マイコミジャーナル エンタープライズチャンネルが日ごろから重点的にお伝えしているクラウドコンピューティングにフォーカスし、クラウドを支える富士通のストレージソリューションを中心に、おススメのセミナー/展示デモをいくつか紹介していきたいと思う。

基調講演/特別講演

夢をかたちに - shaping tomorrow with you - … 富士通 執行役員社長 山本正已氏(5月13日 10:30 - 11:20)

この4月に富士通の社長に就任した山本正已氏による基調講演。社長として初めて行うパブリックな場で講演だけに内外からの注目度が高い。富士通は現在のICTの進化を"人が中心 - ヒューマンセントリックなICT利活用の時代"と捉えており、山本氏の講演でもクラウドをはじめとするICTの利活用に対する富士通の取り組みが語られる予定だ。

知識ベース・ビジネスモデル・イノベーション ~ヒューマン・セントリック名価値創造に向けて~ … 一橋大学 名誉教授 / 富士通総研 経済研究所 理事長 野中郁次郎氏(5月13日 16:30 - 17:30)

日本を代表する経営学者であり、"知識経営の生みの親"として世界にも広くその名を知られている野中郁次郎氏は、富士通の取締役も務めている。本講演では、これからの企業経営者が知っておくべき"持続的経営"に必要なポイントをわかりやすく解説する。すべてのビジネスパーソン必聴の特別講演。

Cloud Computing & Collaboration … Salesforce.com 会長兼最高経営責任者 マーク・ベニオフ氏(5月14日 12:30 - 13:30)

クラウドコンピューティングのリーディングカンパニー Salesforce.comのベニオフ会長が来日、同社がグローバルで展開するエンタープライズソリューションについて講演を行う。同社はこの4月より企業内コラボレーションプラットフォーム「Salesforce Chatter」を日本でも提供開始したが、今後はこういったクラウドベースのリアルタイムソリューションの重要性がますます高まってくると思われる。

富士通 執行役員社長 山本正已氏

Salesforce.com 会長兼CEO マーク・ベニオフ氏

セミナー

クラウド時代のICTインフラと開発環境の構築・運用 … 富士通 ミドルウェア事業本部 本部長 新田将人氏(5月13日 16:00 - 16:50)

富士通の社内開発センターとして実績を積んできた「沼津ソフトウェア開発クラウドセンター」は、国内外数拠点に点在していたサーバを集約、開発環境を構築しPaaSとして数千名の開発者に実機/仮想環境を提供している。この一連のクラウド環境構築/運用で見えてきた課題やノウハウを紹介、また運用効率化や生産性向上を実現するミドルウェアの提案も行う。

クラウド環境を支えるストレージ・ソリューション … 富士通 ストレージシステム事業本部 ストレージインテグレーション統括部 統括部長 熊沢忠志氏(5月13日 17:40 - 18:30)

ローエンドからエンタープライズまで、あらゆる用途/規模に対応する富士通のストレージシステム「ETERNUS」。本セミナーでは、SAN対応ディスクアレイの活用により、サイロ型システムからクラウド環境への移行時に発生する容量割り当ておよびバックアップ運用の課題を解決し、運用効率化や事業継続を支援するソリューションを紹介する。

次世代ICTインフラを支えるOSS/Linux … 富士通 プラットフォームソフトウェア事業本部 Linux開発統括部 統括部長 藤岡和人氏(5月14日 17:40 - 18:30)

プライベート/パブリックを問わず、クラウド基盤として今までにもましてLinux/OSSへの期待が高まっている。本セミナーではLinuxおよびオープンソースソフトウェアの動向とそれに対する富士通の取り組み、さらにOSS/Linuxを安心して利用するための各種サービスを紹介する。

展示

いずれも展示ホール(B2F)のICTコーナーで行われる。

ETERNUSによるストレージ仮想化&統合事例

容量仮想化機能を実装したディスクアレイ「ETERNUS DX400/DX8000 series」を使い、ストレージ装置内でディスクを仮想化する仕組みを解説する。また、複数のストレージ装置を統合することで全体のパフォーマンスを上げ、TCO削減につなげる方法についても紹介する。

プライベートクラウドを支えるデータベース統合ソリューション

TCO削減のために大規模な統合データベースを構築する際、ディスクアレイのSSDとOracle Database 11g R2のDatabase Smart Flash Cache機能を用いることで、高速かつ低消費電力を実現するデモを行う。使用ハードウェアはSPARC Enterprise M3000とETERNUS DX80。

ストレージの展示ではETERNUSの統合デモを実際に見ることができる。左はミッドレンジのディスクアレイ ETERNUS DX400、右はエントリモデルのディスクアレイ ETERNUS DX80