Analog Devices(ADI)は、製造設備の状態を効果的かつ低コストでモニタリングすることを可能にする広帯域幅対応の3軸組込振動センサ「ADIS16223」を発表した。すでにサンプル出荷を開始しており、単価は1,000個受注時で145ドルとなっている。なお、量産出荷は2010年6月からを予定している。

産業機器向け3軸組込振動センサ「ADIS16223」

同製品は、製造設備の振動モニタリング向けにプログラミングによる幅広い周波数帯域の選択が可能なセンサ。

3軸すべてに±70gのダイナミックレンジを提供しており、SPIおよびデータバッファ構造により、広帯域幅のセンサデータを入手することができる。また、センサの共振周波数は22kHz、サンプルレートは72.9kSpsで、機械の状態をモニタリングするアプリケーションに最適化されており、システムオペレータはコストのかかる損傷を受ける前に、機器摩耗の状態を特定することが可能となる。さらに、プログラマブル・デジタル・フィルタには、ローパス(低域通過)とバンドパス(帯域通過)構成オプションも用意されている。

加えて、ユーザはシリアルナンバーおよび装置のIDレジスタにもアクセスすることが可能だ。データ収集機能には3つの異なるトリガモードがあり、モニタリング対象となる機器への直接搭載、いわゆるセンサのインシステム適応を可能にする。自動データ収集は、プログラマブル・デューティ・サイクルに基づいて、周期的なウェークアップと振動データの収集を可能とする。マニュアルデータ収集モードを使用すれば、ユーザはデータ収集を開始でき、消費電力と読出頻度を最適化することが可能となる。さらに、イベントによる割り込み収集モードは連続的にバッファをアップデートし、プリセットされたトリガ条件に対してバッファをモニタリングする。このモードはイベントのバッファデータを保管し、割込みによるアラーム指示信号を生成する。

このほか、同製品はデジタル温度センサ、デジタル電源測定、ピーク出力収集機能も提供する。