日本オラクルは4月27日、金融機関向け統合経営管理アプリケーションの新製品「Oracle Financial Services Analytical Applications」の提供を開始した。同製品は、「Oracle Financial Services Applications」と「Oracle Reveleus」をスイート化したもの。
常務執行役員 エンタープライズ営業統括本部長を務める三露正樹氏は、金融機関における同社製品の導入実績について説明を行った。
「ERPベンダーの買収を行ったことで、国内のほぼすべて金融機関・損保会社において当社の製品が導入されている状況となった。最近の事例を挙げると、三井住友銀行はデータベ ース製品のセキュリティオプション「Oracle Database Vault」とアクセス制御機能「Virtual Private Database」用いて顧客情報の保護を行っている。また、東証の新たな株式売買システムであるarrowheadに発注する証券会社の側のシステムに、BIアプライアンスであるOracle Exadataの導入が進んでいる」
Oracle Financial Services Analytical Applicationsは統一されたデータモデル、エンジンルール、ビジネスインテリジェンスという3つの層から成るプラットフォーム「Financial Services Analytical Applications Infrastructure」上で、金利などの流動性リスクを管理する機能「Oracle Financial Services Asset Liability Management(以下、Oracle ALM」)」、自己資本充足評価プロセスを支援する機能「Oracle Reveleus ICAAP Analytics」、各種収益管理や原価計算を行う機能を実現する。
Oracle ALMは、複数の金利や行動のシナリオに基づいてシミュレーションを行い、金融機関の流動性へのインパクトを評価する。加えて、金利リスクや為替リスクを把握・分析する指標を算出し、金融機関のバランスシートや収益性を予測することができる。
Oracle Reveleus ICAAP Analyticsは、バーゼルII 第2の柱が定める自己資本充足評価プロセス(ICAAP)に沿ったリスクの特定・評価とストレステストの実施を支援する。
また、リスクと収益を管理する同製品は同社の財務会計システム「Oracle E-Business Suite」や「Hyperion」との連携が可能だ。両システムを連携させることで、従来行われていた事後にシステム間のデータの整合性をとる作業が回避される。
そのほかの機能は次のとおり。
- 「Financial Services Analytical Applications Reconciliation Framework」:データ 整合性管理
- 「Financial Services Profitability Management」:セグメント別収益管理(費用等配賦計算)
- 「Financial Services Funds Transfer Pricing」:資金収支管理(トランスファープライシング)
- 「Financial Services Balance Sheet Planning」:予算作成
- 「Reveleus Market Risk」:市場リスク管理
- 「Reveleus Operational Risk Enterprise Edition」:オペレーショナル・リスク管理
- 「Reveleus Economic Capital Advanced」:エコノミックキャピタル