マイクロソフトは、Software Assurance(SA)契約を行っている企業ユーザーに対し、7月1日よりサーバ上に構築された仮想デスクトップ環境にアクセスするためのライセンス「VECD for SA」を無償化すると発表した。

現在、SA契約を行っているユーザーが、サーバ上に構築された仮想デスクトップ環境にアクセスする場合には、別途「VECD for SA(Virtual Enterprise Centralized Desktop for Software Assurance)」のライセンス(参考価格で1クライアントあたり年2,748円)が必要だが、7月1日より、Windows Software Assurance (Windows SA) 契約に、仮想化デスクトップの使用権及びリモートアクセスする権利が含まれるようになる。また同時に、シンクライアント端末など、SA契約をしていない端末(ユーザー)向けのライセンス「VECD」も、Windows Virtual Desktop Access(Windows VDA)に名称が変更され、10%程度値下げされる予定だ。

「VECD for SA」は廃止し、「VECD」は値下げを実施

MDOPで日本語利用可能なMED-Vの提供開始

また、同社は4月2日より、MDOP(Microsoft Desktop Optimization Pack for Software Assurance)の最新版、「MDOP 2010 Refresh」を提供していることを明らかにした。MDOPは、クライアントのデスクトップ環境を集中管理するためのSA用の追加ライセンス。App-Vを利用する場合も契約が必要になる。MDOP 2010 Refreshでは、日本語とWindows 7が利用できる「MED-V 1.0 SP1」が提供されている。「MED-V(Enterprise Desktop Virtualization)」は、クライアントで動作させる仮想OSを管理者が展開できるソリューション。MDOP 2010 Refreshで、初めて日本語が利用できるMED-Vが提供された(画面の表記は英語)。

「MDOP 2010 Refresh」

クライアント側で構築・実行する仮想デスクトップには、Windows 7のProfessionalエディション以上で利用できるVirtual PCを利用した「XP Mode」があるが、XP Modeでは、Virtual PCのインストール、XP Modeの設定、ドメインの参加、アプリケーションのインストールなどの作業をクライアント側で行わなければならないのに対し、MED-Vでは、ドメインに参加するユーザー/グループ、利用するアプリケーションの設定などを自動設定することが可能なほか、Active Directoryのポリシーによる集中管理も行える。

「XP Mode」に対する「MED-V」のメリット

「MED-V」の管理コンソール(ドメインに参加するユーザー/グループの指定)

シトリックスとの共同キャンペーンもスタート

そのほか、マイクロソフトとシトリックス・システムズ・ジャパンは、共同で「VMware VDI ユーザー向け無償プログラム」ならびに「VDI クイックスタート」を2010年12月末まで実施する。

「VMware VDI ユーザー向け無償プログラム」は、VMware Viewを利用しているユーザーのためのプラットフォーム移行支援。このプログラムでは、Microsoft Virtual Desktop Infrastructure Standard SuiteとCitrix XenDesktop VDI Editionを、1社あたり最大500ユーザーまで無償で提供する。一方、「VDI クイックスタート」では、Microsoft Virtual Desktop Infrastructure Standard SuiteとCitrix XenDesktop VDI Editionを、1社あたり最大250ユーザーまで半額(参考価格:年間3,916円/台)で提供する。いずれも、Microsoft Core CAL/ECALを持っているユーザーが対象となる。

シトリックス・システムズ・ジャパンとの共同キャンペーン