NTTぷららは23日、同社の映像配信サービス「ひかりTV」の事業展開に関する記者説明会を実施した。同サービスでは、2010年度中に、3D対応コンテンツ、スタートオーバー機能、tコマースサービスなどの提供を開始する予定。2010年度末までに、140万会員獲得を目指すとしている。

同社 代表取締役社長 坂東浩二氏

「ひかりTV」は、光回線を使った映像配信サービスで、2008年に提供を開始。2009年度に会員101万人(2010年3月時点)を達成しており、「顧客基盤とブランドの確立ができた」(坂東社長)。事業としては、「原価回収は完了し、販促費などで一時的に赤字になることはあるが、構造としては黒字化を果たしている」(同)。

2010年度以降の事業展開については、家庭用3Dテレビの発売にあわせて「3D対応コンテンツを提供を検討し、技術開発を進めている」といい、2010年度内にトライアル提供を開始するという。また、コンテンツのHD化もさらに進め、今年度中に専門チャンネルの約半分、VOD作品の約1/3をHDに対応させる計画という。また、IPTVで7月からは同社独自のtコマースサービスのトライアル提供を開始する予定や、年度内に視聴番組にあわせて類似のお勧め番組を紹介するレコメンド機能を提供する予定もあるという。放送中の番組をレコーダー無しで最初から視聴できるスタートオーバー機能も、今年度中にトライアル提供を開始したいとしている。現在、配信映像の確保や著作権等権利関係について調整を行っている段階とのこと。そのほか、家庭内LANや携帯電話との連携が可能となるHDD内蔵チューナーを6月より提供予定で、リモート操作による録画予約機能や、LANによる録画映像配信などの提供を7月頃から年度内を目処に開始する見込み。今年度末までに、140万会員の獲得を目指すとしている。

スタートオーバー機能は権利的な課題もあるが、今年度中のトライアル提供が目標とのこと

ひかりTVでは、新たなHDD内蔵チューナーにより、マルチルーム対応や携帯等との連携実現を計画

なお、坂東社長は、同社がNTT子会社であることから、NTT法による放送事業参入制限に触れ、「同事業については、アイキャスト経由で映像を配信しており、直接的な放送サービスではない」ことを強調。「自社制作コンテンツもあるが、映像制作と放送事業は別と考えている」と説明した。

3D対応コンテンツのサンプル