STMicroelectronicsは4月22日、ARM Cortex-M3ベースのマイコン「STM32L」シリーズのサンプル出荷を開始したことを発表した。

低消費電力を実現する32ビットマイコン「STM32Lシリーズ」

単価は1万個以上購入時にLQFP48パッケージで内蔵フラッシュメモリ64KB品の「STM32L151」が約1.86ドル、LQFP100パッケージで内蔵フラッシュメモリ128KB品「STM32L152」が約2.81ドルとなっており、2010年第4四半期に量産を開始する予定。

STM32Lは2009年6月に発表されていた製品で、独自の低リーク専用130nmプロセス技術および最適化された省電力アーキテクチャの組合せを採用することで、低消費電力を実現している。

また、6種類の低消費電力モードを使用することで、必要な動作を可能な限り少ない電力消費量で実行することが可能だ。利用可能なモードは次の通り(1.8V/25℃時の暫定値)

  • 低消費電力駆動モード(32kHz時):10.4μA
  • 低消費電力スリープ・モード(タイマ1つ動作):6.1μ
  • ストップ・モード:1.3μA(リアル・タイム・クロック:RTC動作、コンテキスト維持、RAM内容保持)
  • ストップ・モード:0.5μA(RTC停止、コンテキスト維持、RAM内容保持)
  • スタンバイ・モード:1.0μA(RTC動作、バックアップ・レジスタ維持)

この内、低消費電力駆動モードおよび低消費電力スリープ・モードが新たに搭載された低消費電力モードで、低消費電力レギュレータと発振器の使用によって低周波数動作時の消費電力を低減することができる。レギュレータが電流の需要と電源電圧の依存性を排除するほか、中・低動作周波数での内部動作電圧を低減する実績のある省電力技術である動的電圧スケーリングも搭載しており、通常のフラッシュメモリ上で実行するRunモードにおける動的消費電流は、MHz当り230μAで、最小185μA/DMIPSの電流消費量対性能比を実現している。