Red Hatは4月21日(現地時間)、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)の次期バージョン「Red Hat Enterprise Linux 6」のベータ版を発表、パブリックテストを開始した。Linuxカーネルには2.6.32、GCCには4.4を採用している。仮想化対応、パフォーマンス向上、スケーラビリティなどの強化はもちろんのこと、新世代のハードウェア/ソフトウェアに柔軟に対応する設計が特徴となっている。
Red Hatがクラウドビジネスに力を入れていることもあり、RHEL 6βでは仮想化対応がさらに強化、「仮想環境と物理環境、そしてクラウドの境目をさらにあいまいにした」としている。ベースとなっている仮想化アーキテクチャは、RHEL 5から変わらずKVMだ。パフォーマンスやスケジューラ、ハードウェアサポートが大幅に改善/拡張されており、どんなデプロイモデルにも対応できる柔軟な仮想環境が構築できるという。
カーネルに2.6.32を採用していることで、電源管理機能の向上やパフォーマンスの高速化が大幅に図られており、スケーラビリティに関しても「5Uのラックマウントに64個のCPUと2TBのメモリを詰め込むことが可能」になっているという。また、仮想化機能に伴いセキュリティも強化、「System Security Services Daemon(SSSD)」というサンドボックスをサービスとして提供することでゲストユーザをRHEL6上で隔離することが可能だ。
デフォルトのファイルシステムはext4で、そのほかに巨大なファイルやディレクトリを扱えるXFSも新たに搭載されている。また、NFSはIPv6をサポートするNFS 4にアップデートされている。
対応アーキテクチャはi386、AMD64/Intel64、System z、IBM Power(64ビット)で、Red Hatのサイトからダウンロードすることができる。