日本アイ・ビー・エムは4月21日、階層化されたストレージ上で、アクセス頻度に応じた自動的なデータの再配置を1GB単位で行える機能「IBM System Storage Easy Tier」を発表した。同機能はディスク・ストレージの最上位機種「IBM System Storage DS8700」の新機能として、5月21日から無償で提供が開始される。

日本アイ・ビー・エム システム製品事業 ストレージ事業部長 山崎徹氏

システム製品事業 ストレージ事業部長を務める山崎徹氏は、「データは業務から生成されるワークロードに分類することができ、当社はワークロードのタイプに適したストレージを提供している」と説明した。

ワークロードの種類は、「トランザクション、データベース処理」、「ビジネス・アプリケーション」、「アナリティック」、「Web、コラボレーション」、「デジタルレコード、アーカイブ」の5つ。

今回、新機能が搭載されたDS8700は「トランザクション、DB処理」、ProtecTIERは「デジタルレコード、アーカイブ」に相当する。

ワークロードの単位に応じて提供されるIBMのストレージ

IBM System Storage Easy Tierは、データを1GB単位で、アクセス頻度に応じて効率よく、低価格で大容量のHDDと高速アクセスが可能ながらHDDよりも高価なSSDに自動的に再配置する。

IBM System Storage DS8700 (「Easy Tier」搭載モデル)

同機能では、同社研究所が開発したアルゴリズムをもとに、24時間ごとにデータのアクセス頻度を集計・分析し、ワークロードの変化に対応する。

DS8700は同機能の搭載により、少ない容量の単位でデータの移動が可能となるため、SSDの最小搭載台数がこれまで16個だったところ8個に変更される。

Easy Tierが搭載されたDS8700の最小構成価格は3億2,509万5,500円(税別)。

同日、仮想テープ・ライブラリ「IBM System Storage TS7650」の重複削除機能「ProtecTIER」の拡張も紹介された。

ProtecTIERは重複削除によってバックアップにかかる時間を短縮し、重複削除されたバックアップデータを遠隔保管することでWANの帯域を削減するほか、テープの物理搬送を回避する。

従来のProtecTIERでは遠隔保管は1対1のみがサポートされていたが、今回、多対1の遠隔保管が可能になった。

ProtecTIERが搭載されたIBM System Storage TS7650の最小構成価格は4,029万5,100円(税別)で、出荷は5月28日に開始される。