ポリコムジャパンは4月21日、2010年第2四半期の取り組みや投資分野に関する記者説明会を開催。「投資効果の増大」「会議品質(ユーザー体験)の向上」「UC(ユニファイドコミュニケーション)環境の実現」といった3つの注力分野について説明を行うとともに、低帯域でフルHDを実現する技術やGoogleのOS「Android」を搭載したビデオ会議コントローラなどを発表した。
記者説明会では、4月1日付で同社日本法人の代表取締役社長に就任した柏木街史氏が、滞在先のシンガポールからテレビ会議で登場。少ない帯域で高品質通信を実現するH.264 ハイプロファイル対応が今回の説明会におけるポイントであることを強調した。
説明会の会場では、米国本社 アジア・パシフィック地域のソリューションプロダクトマーケティング担当マネージャ ジュン・シャオ氏が具体的な説明を行い、ビデオコミュニケーション用アプリケーション「CMA Desktop」のMac OSへの対応や従来比で最大50%の帯域幅を削減しながら標準のH.264映像を配信できる「H.264ハイプロファイル」への対応、逆さ設置も可能なHD対応低価格カメラ「HDX EagleEye Viewカメラ」などが紹介された。
同社による「投資効果の増大」に対する取り組みを担うのが、これら3つのソリューション(「CMA Desktop」「H.264 ハイプロファイル」「EagleEye Viewカメラ」)となる。
また同社は、Androidを搭載したビデオ会議コントローラ「Polycom Touch Control」も発表。同製品は今年の第4四半期に提供される予定となっているが、当日はプロトタイプ機によるデモが実施された。同コントローラはタッチスクリーンによる操作が可能となっており、実装されるアプリケーションについては、Androidを搭載したスマートフォンなどにもインストールして利用することが可能になる(つまり、スマートフォンからビデオ会議をコントロールできるようになる)。
「Polycom Touch Control」はPoE(Power over Ethernet)対応となっており電源ケーブルが不要。またUSB端子も備えているため、(PCがなくても)USBメモリなどに保管されたファイルを読み込んでビデオ会議で活用するといったことができるという。
なおスケジュール等の詳細は未定だが、「Polycom Touch Control」用のアプリケーションはiPhoneやBlackBerryにも対応予定とのことだ。
さらにシャオ氏は、同社の会議室用ビデオ会議ソリューションがすべて1080p30のHD映像配信に対応したことに触れ、一新された製品仕様(詳細は下図参照)について説明。加えてモニタリング機能などが向上した管理ツール(「CMA 5.0」)やSIP(Session Initiation Protocol)との統合を実現したDMAやRMXなどによって「会議品質の向上」を実現させるという。
3つ目の取り組みとされる「UC環境の実現」については、Microsoft Exchange Server 2007との統合によって実現可能となったMicrosoft Outlookからの容易なビデオ会議予約(Polycom Conferencing for Outlook)などがその役割を担う。この点については「日頃から使い慣れたOutlookを活用することで、ビデオ会議の使用頻度を上げることができる」(シャオ氏)とのことだ。また、シャオ氏は「オープンスタンダード戦略によって、投資効果だけではなく顧客の選択肢が増える」と語っている。