雑誌+DESIGNING、雑誌Web Designing、マイコミジャーナルの3媒体が、様々なジャンルのクリエイターたちを100人連続で紹介していく新企画。第4回は、イラストレーターのYOUCHANが登場。

YOUCHAN プロフィール

名古屋総合デザイン専門学校卒。1993年からフリーランスとなる。2000年にトゴル・カンパニーを共同設立。書籍・雑誌などの装丁画・扉・挿絵などを主に手がけている。所属団体はIllustrator e-space、SCBWI、日本SF作家クラブ。一番最近の受賞歴は2009年SFマガジン読者賞イラストレーター部門。2010年5月24日~29日に個展「文学山房3」をゑいじう(東京・曙橋)にて開催。オフィシャルWebサイトはこちら。

Q&A

――この仕事に就こうと思った年齢ときっかけは?

YOUCHAN「最初に絵を描く仕事をしたいと思ったのは多分5歳くらい。きっかけは、周囲の子どもより絵が上手でよく褒められたことだと思う。当時は、漫画家しか絵を描く仕事を知らなかったので、長らく漫画家を目指していた。高校生の頃、何作か漫画を雑誌に投稿していたが、ストーリーを構成することが苦痛だったので、漫画家は違うと気がつき、グラフィックデザイナーかイラストレーターになろうと思うようになった。学校卒業後はデザイン事務所に入ってグラフィックデザイナーとして修行の日々であったが、フリーになったのをきっかけにイラストレーターを名乗るようになり、デザインからイラストの仕事に徐々にシフトチェンジしていった。話せば長いこの身上」

――これまでで一番思い入れのある仕事は? その理由や思い出を教えてください。

YOUCHAN「つい最近の話ですが、SFマガジン50周年記念号(2010年1月号)に収録された、世界一大好きな作家、カート・ヴォネガットの短編『明日も明日もその明日も』の扉イラストを描かせて貰えたこと。日本一大好きな翻訳家、浅倉久志氏の名前と共に扉に名前が掲載され、これまでヴォネガットファンで良かった、イラスト描いてて良かった、生きてて良かったと思った。早川書房さんから"扉、お願いします"と電話が来たとき、文字通り小躍りした」

SFマガジン50周年記念号収録『明日も明日もその明日も』
IL:YOUCHAN

――この仕事を辞めようと思ったことはありますか? また、そのきっかけは何ですか?

YOUCHAN「しょっちゅう。いちいち覚えていられない。人生は挫折の連続」

――これから取り組んでみたいこと、関わってみたい仕事は何ですか?

YOUCHAN「新しい文学シリーズの装丁画を企画段階から関わって、トータルで担当してみたい。おもしろい翻訳本の企画がいいなぁ。外国文学大好き」

――愛用している、思い入れのある道具や本、ものを教えてください。

YOUCHAN「Kindleで好きな作家の原著を読める。幸せ。」

YOUCHAN氏が愛用しているKindle

――尊敬している人を教えてください。

YOUCHAN「カート・ヴォネガット、内田百閒、夢野久作、江戸川乱歩、ロン・メイル」

――アイデアを練る場所、時間などを教えてください。

YOUCHAN「日頃からずーっと考えていて、机に向かうときにそれらを具体的に吐き出す作業(ラフの作画)をしている感じ。なので、『いつでも・どこでも』」

――1カ月で仕事をしない日は何日ありますか?

YOUCHAN「5日くらい? ハッキリしていません」

――理想的なオフの過ごし方は?

YOUCHAN「コメダに本を持ち込んでシロノワールとコーヒーで何時間も過ごす。または、自宅で音楽DVDを大きな音で視聴する」

――趣味やコレクションなど、いま、個人的にハマっていることを教えてください。

YOUCHAN「誕生日に夫からプレゼントされたKindleで、ヴォネガットを原著で読んでいる。Kindleにはデフォルトで英英辞典が付いているので、わからない単語は調べながら読み進められる。これまで原著は挫折してきたが、テクノロジーのおかげで最高に幸せな読書体験が可能になっている」

――お酒を飲みますか?週何日、どのくらいの量を飲みますか?

YOUCHAN「ほとんど飲めません。飲むとしても、梅酒のソーダ割り(アルコール薄め)」

――同業でよく飲みにいく、食事をする人は誰ですか?

YOUCHAN「同業者とはパーティー会場や宴会などで飲むくらい。今春はパーティーが多かった……」

作品紹介

「想い出のブックカフェ」装丁イラスト
CL:研究社/IL:YOUCHAN

「17音の青春2010」装丁イラスト
CL:NHK出版/IL:YOUCHAN

「星町の物語」装丁イラスト
CL:理論社/IL:YOUCHAN