米OracleによるSun Microsystems買収発表後、Sunの抱えるポートフォリオの数々の進路が発表されている。「Sun ODF Plugin for Microsoft Office」もその1つで、これはOpenOfficeなどで利用されるODF (Open Document Format)形式でのインポート/エクスポートを可能にするMicrosoft Office用プラグインだが、従来まで無料だった同ソフトウェアのダウンロード料金が1ユーザーあたり90ドルへと値上げされている。The H Open Sourceが4月19日(米国時間)に報じている。
同ODF Pluginのページにアクセスすると、ソフトウェアのダウンロードボタンに「Get It Now, FREE」と表示されているが、これをクリックして表示されるページには1ユーザーあたり90ドルの料金が記されている。これに承知したうえで「Download Now」ボタンを押すと、さらにそこには年間ライセンスとサポート料金として1ユーザーあたり19.80ドル、そして最小購入単位が「100」と表示されている。つまりODF Pluginの利用には、最低でも9,000ドル(+1,980ドル)かかることになる。
ここでダウンロード可能なODF Pluginは、OpenOffice 3.2でサポートされているODF 1.2に対応している。Microsoft Office 2007 SP2でサポートされているフォーマットはODF 1.0のため、事実上これを補完するモジュールとなる。The Hによれば、Oracleのサポートポリシーでは、ソフトウェアライセンス料金の22%をサポート費用として徴収する方針で、これを90ドルという価格に対して設定した19.80ドルという年額サポート料金に当てはめれば、規定通りの料金が設定されていることになる。だが100ドル超という価格設定がMicrosoft Officeの最下位エディションより高くなることについて、Oracleではコメントを控えているようだ。
ODF Pluginは2007年の公開時からオープンソース化されていないため、今後もこうした扱いが続いていくことになるとみられる。一方でオープンソースが絡んだ製品のOracleの扱いにコミュニティ側は神経を尖らせており、先日はSolarisのライセンス条項や開発計画が変更になったことが発表されたほか、OpenSolarisの扱いが宙に浮いた状態になっている。