NTTデータは4月19日、2010年3月から4月にかけて同社が試験運用にて開設した「CO2排出権オンライン仲介サイト」で大成建設の京都クレジット(1,773万トン相当)購入の仲介を実施した結果を踏まえ、2010年度中を目標として、Webサイトによる排出権取引仲介サービスを事業化すると発表した。
同社が事業化する予定のCO2排出権オンライン仲介サイトは、「簡便な手続き」「100トン程度の少量の排出権取引も可能」といった点が特徴となっている。あらかじめ決められた日に「売り手」と「買い手」から注文を受け付けて排出権需給の仲介を行うことにより、排出権受け渡し期間の大幅な短縮を図ることを想定しているという。
今回発表された試験運用の結果では、NTTデータ経営研究所が主催する「カーボンオフセット・プロダクツ・プロジェクト」(企業の事業活動におけるCO2排出量削減と環境配慮型戦略商品開発を同時に実現するプログラム)を利用して大成建設の京都クレジット購入を仲介したとされる。
また、排出権の受け渡しは通常1ヵ月かかるとされているが、今回の試験運用では、申し込みから受け渡しまでを約2週間に短縮にできたとのことだ。
同社によると排出権取引市場は、カーボンオフセットの取り組みが企業間で広がりつつあるという背景がある一方で、「企業が排出権取引を行うにあたっては、契約先を探す手間を要すること、一般的に大量の取引が中心であることなど、未だ国内において簡便な手続きで取引ができる環境が十分に整っていないのが現状」とされている。