Microsoft Hohm」というサービスを覚えているだろうか? 以前にも紹介したが、家庭の電力消費状況を把握し、無駄な電力消費コストを削減するためのWebサービスだ。米Microsoftは4月22日の「地球の日(Earth Day)」を目前にした18日(現地時間)、Hohmや各種製品を活用した個人/企業のための電力削減Tipsを公開している。

Hohmではアカウントを作成し、ユーザー各人の住まいのプロファイル(例えば家の築年数や家電の利用状況など)を入力していくと、現在の電力使用状況が表示されるようになる。こうして作成されたプロファイルを基に、電力削減に対するアドバイスを受けたり、最新関連ニュースの入手やユーザーコミュニティとの対話が行えるなど、エネルギー浪費削減をテーマにした一種のソーシャルネットワークのような役割を果たしている。HohmのBlogFacebookYouTubeTwitterなどの専用アカウントも用意されており、最新アップデートが確認できる。米ワシントン州シアトル在住のある家主は、100ドル以上の電力削減が可能になったとコメントを寄せている。興味ある方は下記の動画デモを見てみるといいだろう(要Silverlight)。ただしこのサービス、現在は米国でしか利用できないというところが残念だ。

Hohmは電力削減という一般消費者にとって最も身近な話題をカバーするソリューションだが、Microsoftではこれ以外にもIT技術を駆使することで、より地球に優しい環境を築けると説明している。例えば企業活動の例でいえば、電子化を進めることで紙の書類など廃棄物の量を減らし(物質の消費減で廃棄物も削減する試みは「Dematerialization (非物質化)」などと呼ばれる)、より効率的なシステムを利用することで電力消費を削減。そしてテレワークやテレプレゼンス(ビデオ会議)といった技術によって出張削減や化石燃料使用抑制など、企業の効率化とコスト削減とともに、地球環境保全にも役立つことになるという。

以上を踏まえて、「地球に優しいIT環境実現のために成すべき10の行動」をTips形式でMicrosoftがまとめている。ひとつの指針として、参考にしてみてほしい。

  1. Microsoft Hohmアカウントを作って家の電力消費削減
  2. 電化製品の再利用を進める。詳細はEnvironmental Protection Agency (EPA)サイトを参照のこと
  3. プログラミング可能な温度計を導入する。米エネルギー省(DOE)によれば、夜間の暖房を10-15度(摂氏で5-7度程度)下げることで、暖房コストを10%程度低減することができるという。このプログラム温度計は夜間に暖房温度を下げて早朝に復活させるもので、20ドル程度のコストだという
  4. Windows 7のコントロールパネルで「Power Options」にチェックを入れ、未使用時のスリープを有効にするとともに、電力設定の調整で電力効率を最大にする
  5. ENERGY STAR準拠のPCを購入。これにより、標準的なPCよりも15-25%ほど消費電力が低いという
  6. デスクトップPCの代わりにノートPCを買う。最新のノートPCは20ワット程度の消費電力しかなく、これは蛍光管バルブ1つと同程度
  7. 性能のいい電源タップを購入する。一般に、ユーザーが"オフ"にしたと考えている電気製品を通して家庭の電力の75%が消費されるという。こうした"亡霊電力消費"を低減するのがインテリジェントな電源タップの役割だ。PCやTVなど、未使用状態を把握して電源を遮断する。1つあたり30ドル程度
  8. 白熱灯より蛍光灯を利用する。電力コストが50%削減できる。しかも蛍光灯は白熱灯の4分の1の電力消費で、10倍の寿命をもつ
  9. 仕事には自転車でいく。ペダルをこぐのは1週間に1回でもいい。5月は国際自転車月間で、5月17-21日は自転車週間となっている。これを機会に自転車通勤にトライしてみよう
  10. 家で仕事する。ユニファイド・コミュニケーションの技術としては、IM、電子メール、テレプレゼンスなどがあり、不必要な移動を削減してくれる。世界自然保護基金(WWF)の試算によれば、こうしたテレコミュニケーションや仮想ミーティングの推進が数十年で30億メトリックトンのCO2削減につながるという