パシフィックビジネスコンサルティング(以下、PBC)は4月15日、マイクロソフトのERPパッケージであるDynamics NAVの中国バージョン(「Microsoft Dynamics NAV 2009 SP1 RT(ロールテイラード)版 中国バージョン」)を、中国に進出している(進出する)日本企業本社を主なターゲットとして6月下旬から提供開始すると発表した。
今回発表された「Microsoft Dynamics NAV 2009 SP1 RT版 中国バージョン」は、中国の間接税の1つ「増値税」の請求書を発行するためのシステム「金税システム」とのデータ連携が図られるなど、中国特有の会計要件に対応するほか、中国基準の法定帳票類があらかじめ実装されていることが特徴。
同パッケージは、主要ターゲットが日本企業(の本社)であるため、既存の日本語バージョン「J-PACK」をベースにして開発されている。そのため、中国基準の科目コードの上に、日本の本社の勘定科目を持つことが可能となっている(日中両方の財務諸表を作成できる)。
今回の製品発表に際して同社小林社長は、「年間1,000社単位で日本企業が中国に進出し、なおも増加傾向にある」という事実が製品投入の背景にあると説明。すでに「ユーザー企業から『早く(中国版を)出してほしい』という要求を受けていた」というエピソードを明らかにした。さらに同氏は、「上海地区だけでも日本商工会議所のメンバー企業約4,000社(うち製造業が2,000社程度を占める)が登録されており、その1割程度の企業には導入してもらいたい」という販売に際しての考えも示した。
また小林社長は、日本企業が中国に進出する際に直面する情報システム面での課題にも触れ、企業の海外展開に際して豊富なシステム導入実績を有し、日本企業の要求を熟知している自社の強みをアピール。同氏によると、「日本企業の運用サポート体制に対する要求は高い」とのことだが、この点については「これまでは日本からサポートしていたが、今回の中国バージョンについては現地でのサポート体制を用意する」としている(対応言語は中国語/英語/日本語)。
「Microsoft Dynamics NAV 2009 SP1 RT版 中国バージョン」の販売形態はPBCによる直販、または代理店経由で、価格(概算価格)は以下の通りとなっている。
- Microsoft Dynamics NAV基本ライセンス: 25万円 (供給元:マイクロソフト)
- Microsoft Dynamics NAV ユーザーライセンス(11ユーザー): 247万5000円 (供給元:マイクロソフト)
- Microsoft Dynamics NAV言語ライセンス: 14万4000円 (供給元:マイクロソフト)
- 中国版基本パッケージ価格: 200万円(中国語翻訳:50万円/機能:150万円) (供給元: PBC)
同社はMicrosoft Dynamics NAVについて、「今後は韓国や台湾、香港などへのローカライズパッケージも投入し、日本企業のアジア進出を支援する」としている。