ロームは4月15日、ABS、オートマチックトランスミッション、エアバッグなどに使われる車載用各種ECU向けに125℃動作温度保証のSPIバスEEPROM「BR35H□□□シリーズ」を開発したことを明らかにした。すでにサンプル出荷を開始しており、2010年6月から月産100万個体制で量産を開始する予定。サンプル価格は16Kビット品が500円、128Kビット品が600円となっている。
カーエレクトロニクス技術の進展に伴い、自動車に用いられる電子回路規模も大きくなっており、EEPROMについても故障診断や各種ステータス情報の記録用などに使用数が増加する傾向にあり、より大容量化、高速動作化が求められているほか、機器の小型化への対応も求められていた。
同製品は、従来標準パッケージ品(SOP8)と比較してチップ面積を60%縮小したMSOP8パッケージを採用。容量としても128Kビットまでラインナップを用意し、伝送方式としてSPIバスを採用した。
また、独自のダブルセル構造により、デバイスの偶発的な劣化に伴って発生する偶発不良をなくしたほか、ダブルリセット回路を内蔵したことにより、バッテリからの電源供給が不安定になった場合でも誤書き込みを防止することが可能だ。
さらに、ライトプロテクト、ホールド機能(端子)を削除したことにより設計・評価期間を短縮することが可能となったほか、HBM法6kVの高静電耐圧による耐破壊性を実現している。
電気的特性は、データ書き換え回数は85℃時で100万回、データ保持年数は25℃時で40年、書き込み時消費電流は2mAもしくは2.5mA、読み込み時消費電流は1.5mA、スタンバイ電流10μA、データ書き込み時間5msとなっている。