富士通は4月14日、プライベートクラウド(企業内クラウド)環境の構築に必要とされるソフトウェアとシステムインテグレーションを含めたサービスを、同社沼津ソフトウェア開発クラウドセンターの資産を活用して6月から提供開始すると発表した。

富士通 執行役員常務 ソフトウェアビジネスグループ長 山中明氏

今回発表されたのは、業務サービスを一覧化(サービスカタログ)して使用状況を"見える化"する「Systemwalker Service Catalog Manager V14g」と、標準化された業務システムを配備し、運用管理手順の自動化を実現するための「Systemwalker Software Configuration Manager V14g」「Systemwalker Runbook Automation V14g」、サーバやストレージ、ネットワークの統合的な仮想環境を構築・管理する「ServerView Resource Orchestrator V2.2」、パブリッククラウドとプライベートクラウド・基幹システムのデータ連携をコーディングなしで実現するための「Interstage Information Integrator V10.1」の5製品(「Interstage Information Integrator V10.1」は従来製品の機能強化版として位置付けられている)。

今回発表されたソフトウェア製品群

今回の製品発表会において、同社執行役員常務の山中明氏は、「製品個々の機能については、他社製品との大きな差異はない」としながらも、「クラウド環境における業務サービスの可視化まで踏み込んでいるのは富士通の強み」とし、加えて「上流工程から運用保守に至るまで、クラウドへの段階的な移行支援を行っている」という点においてアドバンテージがあると強調。また、「ここまでのレベルでのクラウド対応製品・サービスを提供できているのは今のところ国産ベンダーでは富士通だけではないか」とし、グローバル競争環境にあるユーザー企業を、ICT利用の側面からサポートすると語った。

上述の5製品は、これまで同社の社内開発環境として実績を積んできた「沼津ソフトウェア開発クラウドセンター」に適用され、同社のこの資産をユーザー企業に対して提供する形となる。

山中氏は、同社による調査結果をもとに「仮想化技術を使ったサーバ統合」がユーザー企業のニーズの中で最も大きいとし、国内6拠点に点在していた1,800台のサーバを900台に集約するなどし、結果的に年間7億円ものコスト削減と開発効率の向上、環境負荷低減を実現した同センターの実績をアピールした。

各種製品の標準価格(税別)と提供時期は以下の通り。

  • Systemwalker Service Catalog Manager V14g 14万5000円~ (2010年6月末)
  • Systemwalker Software Configuration Manager V14g 10万円~ (2010年6月末~)
  • Systemwalker Runbook Automation V14g 15万円~ (2010年6月末)
  • ServerView Resource Orchestrator V2.2 20万円~ (2010年6月末)
  • Interstage Information Integrator V10.1 150万円~ (2010年7月末)