Fedora開発チームは4月13日(世界協定時)、5月中旬に正式公開予定の「Fedora 13(開発コード"Goddard")」のベータ版を公開した。予定より若干遅れてのベータ版公開となったが、アルファ版で追加されたプリンタドライバの自動インストール機能などに加え、ハードウェアサポートの強化や新ファイルシステムBtrfsの統合、OSSの認証システム"Dogtag"のサポートなどが実施されている。
Fedora 13 βで採用されている主なソフトウェアは以下の通り。
- Linuxカーネル 2.6.34(開発版)
- GNOME 2.30
- KDE 4.4.2
- GCC 4.4.3
- GTK+ 2.20.0
- Qt 4.7(開発版)
- Firefox 3.6.3
- OpenOffice.org 3.2.0
デスクトップユーザ向けの機能がより強化されており、デフォルト画面でソーシャルネットワークへの接続クライアント(Pino)やフォトマネージャ(Shotwell)、バックアップソフト(Deja-dup)などが提供されている。また、ネットブックでの利用が増えることを想定し、モバイルブロードバンドやBluetooth接続における使い勝手の向上に加え、Network Managerを使ったコマンドライン接続(CLI)もサポートしている。そのほか、iPodやiPhoneを1デバイスとして扱うことができるOSSのライブラリ"libimobiledevice"により、写真や音楽の取り込みを簡単に行えるようになった。
今回のリリースで、フリーのNVIDIAドライバ"Nouveau"の実装がすすみ、3Dアクセラレーションのサポートが完璧に近づいたとしている。またDisplayPortサポートが向上し、Intelだけでなく、ATTやNVIDIAのグラフィックチップもサポートする。
開発環境としては、Pythonデベロッパを考慮し、Python 3とPython 2.6のパラレルインストールを可能にしているほか、デバッグに容易な環境を整えている。
Fedora 13のリリース予定は現在のところ、5月6日にリリース候補(RC)版を出した後、5月18日に正式公開となっている。