新日鉄ソリューションズは4月13日、全社システム開発・テスト環境「NSSDCクラウド」を、クラウドコンピューティングによる同社のITインフラサービス「absonne」(アブソンヌ)上に新たに構築し、本格運用を開始したと発表した。
同社はabsonneをIaaSサービスとして2007年から提供してきたが、4月1日からは新たに「クラウドサービスビジネス推進センター」を設置してクラウド対応のインテグレータとしての体制を強化。一方、システム開発に関しては2008年4月から同社のソフトウェア開発センター(NSSDC)が開発プロセスや成果物、プロセス管理ツール群の標準化を実施して"次世代開発環境基盤"を構築し、この基盤は2010年3月末時点で「200案件5000人が利用している」という。
NSSDCクラウドでは、この"次世代開発環境基盤"がabsonne上に展開され、プロセス管理や標準化されたアプリケーションアーキテクチャをベースに、Javaや.NET対応の同社開発フレームワークが搭載されているという。
同社はこれによるメリットとして、システム開発・テスト環境をクラウドサービスとして提供できるだけでなく、「従来の次世代開発環境基盤で実現しているプロセス管理と併せることで、アプリケーション開発における品質・生産性の向上を実現できる」としている。
NSSDCクラウドは、設計からテストまで一連の開発工程と開発支援が統合的にサービス化されたもの。同社は今後、全国の関連会社への提供とともに、オフショア先でも活用するとのことだ。
なお、4月10日時点で新たに6つの開発プロジェクトがNSSDCクラウド上で展開されており、現時点で40のプロジェクトがNSSDCクラウドの利用対象として検討されているという。
同社は「今後、新日鉄ソリューションズが受託するシステム開発については、NSSDCクラウド上での開発が主力となるよう進めていく」としている。