米Googleは4月9日(現地時間)、同社のWebページ検索ランキングシステムの評価基準に「サイトの高速性」を加味したことを発表した。これまで同社の検索ランキングシステムでは、サイトの人気などのパラメータが中心だったが、ここに「どれだけユーザーが快適にWebアクセスができるか」という基準が加わったことになる。
サイトアクセスの高速さがユーザーの満足度につながることは、ユーザー自身がよく身をもって体験しているだろう。これはGoogleの内部調査データでも出ている。だがサイトのスピードはさまざまな要因によって変化するため、一概に1つのデータを基準に判断できるものでもない。Googleが今回のデータを検索ランキングに反映するにあたっては、複数サイト間の比較を含む各種評価を基準しているという。またGoogleでは影響を受ける可能性のあるWebサイトのオーナーや開発者らに対して、次のツールを使って自身のサイトの評価を行ってみてほしいと提案している。
Page Speed : オープンソースのFirefox / Firebug用アドオン。Webページの改良ポイントを提案する
YSlow : Yahoo!が提供するフリーのツール。役割は同じで、サイトの改良ポイントを提示する
WebPagetest : ページのロード状況をウォーターフォール型のグラフで図示化し、最適化のチェックリストを提示する
Webmaster Tools : Googleの用意する計測ツール。世界中のユーザーからの当該サイトのアクセススピードを図示化する。同ツールの解説はこちら。
その他のツールについてはこちらを参照のこと
だがGoogleによれば、サイトスピードの評価については現時点で他のパラメータほど比重は高くないという。この新基準で影響を受けるサイトの割合は全体の1%未満程度で、しかも英語版のGoogle.comのみが対象になっているという話だ。慎重な評価の後にすでに数週間前にランキングへの反映を済ませており、もし自身のサイトがランキング上、特に変化がないようであれば、今回の新規パラメータ追加が当該サイトについては影響を与えていない可能性があるだろうとしている。とはいえ、サイト運営者に対しては今後もランキングだけでなく、ユーザー体験の観点から引き続きサイトスピードに留意してほしいというのがGoogleからの提案だ。